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オフィス仲介業者の三鬼商事株式会社が、都心5区の貸ビルの平成24年5月の空室率を発表した。
都心5区の空室率は、9.4%である。
9.4%の空室率は、2003年以来最高の高い空室率である。
三鬼商事の調査・発表による最近1年間の都心5区の空室率は、下記の通りである。
2011年6月 8.81%
2011年7月 8.76
2011年8月 8.65
2011年9月 8.64
2011年10月 8.78
2011年11月 8.90
2011年12月 9.01
2012年1月 9.23
2012年2月 9.15
2012年3月 9.04
2012年4月 9.23
2012年5月 9.40
去年の6月の空室率は8.81%であったが、1年後の今年5月は9.40%と9%を越えてしまった。2003年以降最高の空室率である。
2003年以降の各年空室率は、下記の通りである。
三鬼商事の発表している各年1~12月の空室率を加算して、12で除して求めたものである。計算は田原による。
2003年 8.32%
2004年 7.27%
2005年 4.93%
2006年 3.20%
2007年 2.71%
2009年 7.99%
2010年 8.89%
2011年 8.89%
2003年(平成15年)の8.32%より空室率は小さくなる。
2007年(平成19年)に2.71%になる。
平成19年は不動産フアンドバブルの時である。
不動産フアンドバブル時の空室率は3%を切って、2.71%になる。
不動産ファンドバブルは、空室率の著しい低下を引き起こした。つまりこの現象が生じるのが、不動産がバブっていることの証拠である。
空室率から見ても平成19年が不動産ファンドバブルの頂点であったことが立証される。
その後空室率は大きくなり、2011年(平成23年)8.89%になる。
そして平成24年5月には9%の壁を突き破り、9.4%の空室率になる。
不動産ファンドバブルは、平成19年であったと今から考えれば当り前のごとく多くの人は云うが、その当時に「今現在がバブルだ」と発言することは大変勇気のいることであった。
平成19年当時にあって、「今現在がバブルだ」と発言する人は、誰一人いなかった。
そんな中で、「今現在が不動産バブルの最高時だ、バブルは崩壊する、土地価格は暴落する」と発言したら、「間違ったことを云うな」、「世間を惑わすことを云うな」と叱責されたのである。
いやはや世の中なかなか厳しい。
ビル空室率と不動産業株価とは、相関関係があるようなので、そのことについては、後日述べたい。
2003年以降、都心5区の各年の1月、4月、7月、10月の空室率をグラフにしたものが、下図である。
鑑定コラム507)「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」
鑑定コラム615)「『土地総合研究』掲載の「的中した土地総研のDI値」という論文」
鑑定コラム5)「『空室率4%」
鑑定コラム193)「ある大手不動産会社の賃料と空室率」
鑑定コラム247)「空室率が急激に下がっている」
鑑定コラム924)「ビル空室率は不動産業株価と逆比例の関係」
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