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104)東京の住宅地価の3局化

 東京23区、多摩地区の戸建住宅売物件から、土地価格を分析し、「東京地価指数」を毎月発表している不動産鑑定士のグループがある。私もグループの一員であるから、やや宣伝のにおいが入るが、その当りは予めお許し願いたい。
 発表は2年間のデータの蓄積と分析、グールプ内デスカッションを充分行い、結果検証したのち最近毎月発表されだした。

 その発表している「東京地価指数」に、面白い現象が顕れている。

 東京の住宅地価格が、最近2年間の分析で、3つの現象局面を示している。

     1の現象  地価は横ばい    0〜−1%
     2の現象  地価は少し下落  −10%前後
      3の現象  地価の大幅な下落 −17%前後
である。

 東京を下記の6つの地域に分ける。
   区部中心部…千代田・中央・港・新宿・文京・台東・渋谷・豊島
  区部南西部…品川・目黒・大田・世田谷・中野・杉並・練馬
   区部北東部…墨田・江東・北・荒川・板橋・足立・葛飾・江戸川
   多摩北部…清瀬・東村山・東大和・東久留米・武蔵村山・立川
       国立・府中・国分寺・小金井・小平・調布・狛江・三鷹
       武蔵野・西東京・昭島
  多摩南部…八王子・町田・日野・多摩・稲城
  多摩西部…青梅・福生・あきる野・羽村・瑞穂・日の出・奥多摩・檜原

 1の現象を示す地域は、区部中心部である。
 2の現象を示す地域は、区部南西部、多摩北部。
 3の現象を示す地域は、区部北東部と多摩南部である。
(多摩西部はデータが少なく判断困難。傾向としては、3の現象に属すると思われるが。)

 各地域の地価の変動状況を示すと、以下の通りである。
 2000年を100とする。
                 2000年    2001年    2002年    2003年2月
(1の現象)
    区部中心        100        98        99        99
(2の現象)
    区部南西        100        94        91        89
   多摩北部        100        93        90        89
(3の現象)
    区部北東部      100        92        86        84
   多摩南部        100        90        85        82

 区部北東部、多摩南部地域が、2年間で20%に近い住宅地価の下落である。これはかなり大きいが、これが現実であろうと思われる。
 
 この「東京地価指数」は、下記の9人の不動産鑑定士・不動産鑑定士補による、ボランティアのデータ分析作業によって行われている。
   
         所属鑑定事務所          代表者    住所      電話番号
 1 曽我一郎 曽我不動産鑑定事務所   曽我一郎 新宿区  03-3361-0794

 2 河邑 環 河邑環不動産鑑定士       河邑 環 立川市  042-526-5772
       事務所 
 3 原山美香 有限会社エムアール       原山美香  江戸川区 03-3651-2111
       アプレイザル     
 4 五十嵐恵美 株式会社都市総合マネ     海老原彰  墨田区   03-3846-1055
       ジメント
 5 木内二三夫 木内わがまち総合鑑定   木内二三夫 中央区  03-3808-1391
       株式会社
 6 渋谷文誉  株式会社第一エステー   土谷幸治 港区    03-3478-3484
       トコンサルタンツ
 7 梶山 彰  株式会社不動産鑑定      梶山 彰 荒川区  03-5604-2278
       梶山事務所
 8 田原拓治  田原都市鑑定株式会社    田原拓治 千代田区 03-3264-7140

 9 新井善久  株式会社都市開発研究所   平澤春樹 新宿区  03-3341-6935
 データは、毎月の中旬に不動産情報誌に発表されている流通戸建住宅の売物件を収集し、売価格より建物価格を控除し、各駅勢圏の徒歩10分の標準土地価格を平均して求めた指数である。分析結果は、翌月に発表されている。

 1年遅れの地価公示価格による変動率の把握や、半年遅れの(財)日本不動産研究所の市街地価格指数を待つことなく、現在東京の地価はどの様な動きをしているのか、この「東京地価指数」を利用すれば、即座に知ることが出来る。

 現実の地価の動きを示している分析として、必ずや多くの人々に認知され、利用されるものと信じて、毎月、ボランティアで、9人の不動産鑑定士等は、忙しい自分の仕事の合間に、データ打込み等の作業を行っている。
   分析結果は、下記ホームページで無料で公開されている。

         http://www.progres-net.co.jp/

 不動産鑑定士による生々しい地価変動率の情報発信である。
 実務経済、地価変動の把握に利用されれば幸いである。

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