仮想商店街運営の楽天が、個人でもお店も出品も出来るインターネット上のフリーマーケットを開設している。楽天フリーマーケットと呼ばれるが、略して「楽天フリマ」と呼ばれている。
その「楽天フリマ」に、探しもの情報配信サービスというものがある。
探しものの品物をあげ、その品物の売主があらわれたら、当時者同士で金額の交渉、品物授受の交渉、金銭の授受を行い、楽天は探しもの情報の提供をするのみだけで、あとは一切関知しない。
多分、関与した場合は、古物商の免許が必要であるため、それを避けるために当時者の相対取引にしたのであろう。
取引が無事成功してもシステム利用料は発生しないという(出店料等が発生する出店はもちろんあるが、探しもの情報配信サービスは、システム利用料はないという。しかし自分が探しもの情報配信する場合は、一応そこは確認して行動していただきたい)。
楽天フリマの書物の探しものコーナーを、どんな書物をネット利用者はネットで捜しているのだろうかと、何気なくフリマの画面を流していたら、しばらくして驚いてしまった。私の著書2冊の探しもの情報に出くわした。
『賃料<家賃>評価の実際』中古買希望価格2000円
『民事再生法と資産評価』中古買希望価格1300円
である。
『賃料<家賃>評価の実際』は高額であり、出版社は1刷だけで増刷する予定は考えていなかった。
しかし、予想外に売れ行きが良く、1刷完売間際になって、増刷を決定し増刷してくれた。
現在、増刷分も売り切れ、出版社には在庫はないと聞く。
『民事再生法と資産評価』共著も売れ行き良く増刷した。これも出版社には在庫がないのではないかと思う。
上記2冊とも3刷の計画はない。
取得希望者は古本屋を捜すか、持っている人から譲ってもらう以外に手に入れる方法はない。
両書の買希望価格は定価の半値であるが、両書を持っていても必要がないと思われる方は、楽天フリマで両書を捜している人に譲っていただければと思います。
定価の半値とはいえ、私の著書を中古でも手に入れたいという人がいるということはありがたいことである。
しかし楽天フリマをよく考えると、既存の商品売買の慣習制度を破壊して行く仕組みに見えてくる。
それは既存の考え方の打破である。それがドンドン力をつけ、マーケットを拡げつつある。
楽天の年間取扱高は、2002年12月期で790億円である。
楽天フリマが不動産にも範囲が拡がり、不動産取引の安全性の保証、不動産物件の確実性の保証、不動産価格の適正の保証、金融決済の安全を保証・担保し、所有権移転登記手続きの実行を保証するシステムが構築され、そのシステムと楽天フリマとが一体化もしくは合体した場合にはどうなるのか。
不動産仲介業は、その存在をかなり食われてしまう可能性がある。
怖いことである。
中古書物のマーケットだけであろうとあなどっていると、インターネットが社会の商習慣制度を知らぬ間に変えてしまい、気づいた時には、時既に遅しということになる可能性がある。
フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ 前のページへ