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1144)六を「りく」と読み、陸を「ろく」と読む日本語の難しさ

 2013年12月8日まで、夜間のライトアップをして入園者に紅葉の美しさをサービスしているのは、駒込の「六義園」である。

 読みは「りくぎえん」と読む。
 「ろくぎえん」とは読まない。

 徳川幕府5代将軍綱吉の時の権力者であった柳沢吉保によって造られ、明治期には三菱の岩崎彌太郎の別邸となり、現在は東京都の所有となっている庭園である。泉水、築山、枯山水を主体にした日本庭園である。

 泉水、築山、枯山水を主体にした日本庭園として、「清澄庭園」という庭園が深川にある。

 江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門が作った庭園であり、明治に荒れ果てた庭園を岩崎彌太郎が買い取り、大改修したのである。 現在は東京都の所有である。

 水戸藩の二代藩主の光圀(みつくに)が造った小石川後楽園も、泉水、築山、枯山水を主体にした日本庭園であり、現在は東京都の所有となっている。

 この他、徳川幕府の鷹狩り場が庭園となった浜離宮も、泉水、築山、枯山水である。この庭園の池の水は海水が取り込まれている。

 岩崎家の別荘の庭園として、東京の郊外の国分寺に殿ヶ谷戸公園がある。

 大正時代に満鉄副総裁の江口定條の別荘の庭として作られ、昭和に入って岩崎家の別荘の庭となった。

 昭和の40年代に開発の計画がおこり、東京都が買い上げて整備し、都立殿ヶ谷戸公園となった。

 崖を利用した日本庭園であり、紅葉が見事である。

 我が住み処より近く、私も時々訪れて、季節ごとの風情を心味わっている。

 庭園から一転泥くさい話に変わる。

 屋根の一種に「陸屋根」というのがある。

 鉄筋コンクリート造りの建物の屋上屋根は、平坦なコンクリートスラブの上に、アスファルト防水下地のモルタルコテ仕上の屋上屋根となっている。

 この平坦な屋上屋根を「陸屋根」という。

 読みは「ろくやね」と読む。
 「りくやね」とは読まない。

 陸を「ろく」と読む。水平という意味である。

 左官がコテで仕上する場合、屋上平面のモルタル仕上は、水平で無ければならない。壁のしっくい仕上、土壁の聚楽仕上の場合も縦に水平、即ち「ろく」で無ければならない。デコボコの波打つ仕上は許されない。

 左官として水平の仕上が出来ない場合は、左官失格である。
 水平の左官仕上げの仕事が出来ない左官のことを、「ろく」に出来ないものと呼ばれ、それが転じて「ろくでなし」の言葉が生まれた。


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