○鑑定コラム



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138)賃料評価基準改正へのきざしとコラム愛読への感謝

 今年(平成15年)は、平成の市町村の大合併のコラムで始まり、不動産鑑定士3次試験問題のコラムで終わった。

 1年間ご愛読して頂いたことに感謝いたします。

 今年最終のコラムの「平成15年不動産鑑定士3次試験問題」と、これに関連した「借地ビルの賃料・・・・」の記事が、多くの不動産鑑定士の共感を呼んだのか、反響が大きく、社団法人日本不動産鑑定協会の横須賀会長が動き、国土交通省の別組織で3次試験の実施者である土地鑑定委員会にまで、記事の内容が届いた。

 そして同時に横須賀会長は、鑑定協会の調査研究委員会に対して、同問題について早急な検討を命令した。

 一介の不動産鑑定士のメルマガ、『鑑定コラム』の記事が、大組織を動かす事態を引き起こしてしまった。
 事態の急展開に、記事を書いた者は戸惑うばかりである。

 今年(2003年)6月に就任した鑑定協会の新会長は、上記問題の外に、次の2つの課題について、調査研究委員会に早急に検討するよう指示した。
   ・差額配分法の貸主に帰属する部分に付いて
   ・継続賃料に収益分析法の適用が鑑定基準に明記されていないことは実態に即していないこと

 前記事項を含めたこれら3つの検討課題は、いずれも「賃料」に関するものばかりである。
 このことは現行の不動産鑑定評価基準のうち、賃料の評価基準は多くの問題点を抱かえているということを意味する。

 鑑定協会の新会長の3件の賃料に関する早急の調査研究委員会への検討命令は、不動産鑑定界における賃料評価基準の改正という大きな事業へと繋がる端緒になるかもしれない。

 今年1年間で58本のコラムを書いた。その58本の記事を類型別に見ると、次のごとくである。

  1.企業の売買等に関するもの     18
  2.不動産鑑定に関するもの            9
  3.Evaluationの雑誌の紹介       4
  4.講演に関するもの                  3
  5.収益還元法・利回り         3
  6.ゴルフ場に関するもの        2
  7.証券化・リートに関するもの     2
  8.建物に関するもの                  2
  9.判例                               2
 10.マンション                         1
 11.その他              11

 企業の売買価格、その利回り、価格分析が圧倒的に多かった。一般不動産鑑定の記事より企業関係の記事が多いことは、企業の所有する不動産の価格と企業の売上高、営業利益との関係に、私自身が関心を持っていることの現れかもしれない。それは利益(不動産に帰属する利益。それはある時には賃料という言葉に置き換えられる)あっての価格(不動産価格)という考え方を根本に持っていることと、企業の交換価値の評価に、不動産鑑定の分析能力がいかされないものかと、私自身が模索している最中であるためかもしれない。

 ホームページを立ち上げて、来年(2004年)の1月13日で2年になろうとしている。現在までで『鑑定コラム』の訪問者は3.2万人に達している。リピーターの方が大半と思われるが、一度訪れて、そのままリピーターになられた方も多いのではなかろうかと想像する。有りがたいことである。

 2004年も自己宣伝が時々混じるが、不動産鑑定の実証性を切り口にして、勝手気ままに、独創的な記事を届けたいと思っている。
 引き続きご愛読していただければ幸いである。

 どうも1年間おつきあい頂き有り難うございました。

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