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1691)衆議院解散総選挙 東証日経平均株価96.06円高

 2017年9月28日、安倍首相は、臨時国会を招集し、開会冒頭に衆議院解散を行った。

 私は首相の衆議院解散権は、憲法69条の内閣不信任案の可決に対する対抗手段として許されるものであり、内閣不信任が国会に提出されていないのに、首相は衆議院の解散を行う権限は持っていないと考える。

 しかし、この考え方は否定されており、衆議院の解散は天皇の国事行為であり、天皇が解散権を持っている。解散は、天皇が内閣の助言と承認によって行うものである。その助言を行うのは内閣であるから、内閣が衆議院の解散権を実質的に持っているという考え方が、現在の日本の憲法解釈の主流である。

 私の考え方は、その主流の考え方ではない。

 だが、天皇はシンボルであり、実際に政を行っている訳でもなく、実質的に政治権力を持っている訳では無い。そうしたシンボルに解散権という権力が存在すると考えることに合理性がなく、私は主流の考えはおかしいと思う。

 一歩譲って、天皇に解散権があると認めるとしても、その権限は、「内閣の助言と承認によって行うもの」という制限がついている。

 その制限する人は、内閣の長である首相ということになる。

 そうすると首相は、天皇の権力を隠れ蓑にして、解散権という権力を何の制限も受けることなくふるえることになる。

 つまり首相は、天皇の権限を持ってしまうと云うことになってしまう。

 これはおかしいであろう。

 主権在民の考え方で国民は国会議員を選出している。首相の権力は国会が制限するべきものである。

 天皇の権力は、「内閣の助言と承認」によって制限されている。

 天皇の権力に制限かける内閣の長の首相の権限は、誰にも制限受けないと云うことは、おかしいではなかろうか。

 実質的な政治権力を持つ内閣の長である首相に解散権を握らしたら、自分の都合で衆議院の解散をすることが自由に出来ることになり、首相の権力の暴走を防ぐことが出来なくなる。

 その暴走を防ぐには、衆議院の内閣不信任の可決によって、衆議院の解散が出来るという仕組みで有るべきでは無かろうか。

 憲法69条の曲解は止めるべきであろう。

 憲法69条は、下記である。


(不信任決議と解散又は総辞職)

 第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。


 安倍首相の衆議院解散に対して、株式市場の東証日経平均株価は、前日比96.06円高の20,363円11銭で終わった。

 この96.06円高は、衆議院の解散歓迎によるものかどうかは分からない。

 というのは、次のごとくの市場動向が伝えられているからである。

 東京の株式市場は、日本の衆議院解散の出来事よりも、アメリカトランプ大統領が、現行35%の米国法人税率を、20%にするという意向を示したというニュースによってニューヨーク株価が上がったことから、東証株価も上がったと解説している。


****2017年10月3日首相の解散権について追記

  鑑定コラム2134)
「安倍首相辞意を表明」


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