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1910)平成30年各県の住宅の空き家率(二次的住宅を除く)

 平成の元号は平成31年(2019年)4月30日で終わり、5月1日からは浩宮徳仁皇太子が今上天皇に即位され、元号は「令和」となった。平成の元号の天皇であられた明仁天皇は、生前譲位されて上皇陛下となられた。

 令和元年初日である令和元年5月1日の最初の鑑定コラム記事は、4月30日発表の鑑定コラム1909)「住宅の空き家率(二次的住宅を除く)トップは和歌山県の18.8%」の続きである。

 総務省の平成30年の『住宅・土地統計調査』の住宅数概数集計によれば、各県の二次的住宅を除く住宅の空き家率は、下記である。


都道府県名 二次住宅を除く空き家率%
全国 12.9
北海道 13.1
青森 14.5
岩手 15.5
宮城 11.5
秋田 13.2
山形 11.6
福島 13.6
茨城 14.1
栃木 15.6
群馬 15.0
埼玉 10.0
千葉 11.8
東京 10.4
神奈川 10.3
新潟 12.7
富山 12.9
石川 14.0
福井 13.3
山梨 17.4
長野 14.7
岐阜 14.7
静岡 13.9
愛知 11.0
三重 14.4
滋賀 11.9
京都 12.3
大阪 14.9
兵庫 13.0
奈良 13.4
和歌山 18.8
鳥取 14.9
島根 14.7
岡山 15.1
広島 14.6
山口 17.3
徳島 18.6
香川 17.4
愛媛 17.5
高知 18.3
福岡 12.5
佐賀 14.0
長崎 14.5
熊本 13.2
大分 15.8
宮崎 15.1
鹿児島 18.4
沖縄 9.7


 全国平均12.9%である。

 空き家率であるからと云って、この割合を賃貸アパート、賃貸マンションの空室率に使うことは出来ない。

 それは、上記空き家率は、住宅総戸数に対する空き家の割合であるためである。

 賃貸アパート、賃貸マンションに使う空室率は、全賃貸アパート・賃貸マンション戸数に対する空室戸数の割合をいう。

 全賃貸アパート・賃貸マンションの戸数は、現在では発表されていない。確定数値においては発表されるであろうことから、その時を待たねば賃貸アパート・賃貸マンションの各県毎の空室率は分からない。

 それでは不便であるため、平成25年の『住宅・土地統計調査』のデータを使用して計算された賃貸共同住宅の空室率を利用して、平成30年以降の空室率を知る方法もある。

 公益社団法人全国賃貸住宅経営者連合会が、平成25年の『住宅・土地統計調査』のデータを使用して、平成25年の各県の賃貸共同住宅の空室率を発表している。下記の表の「民間賃貸共同住宅空室率」の割合(%)である。

 各県の空き家率に対する賃貸共同住宅の空室率の倍率(下記の表の倍率b/a)を利用すれば、平成30年の、各県賃貸共同住宅の空室率を推定出来る。

 平成25年の全国平均空き家率は、12.8%であり、平成30年は12.9%である。

 空き家率の開差は僅少であるから、平成25年の賃貸共同住宅の空室率の倍率を平成30年の空き家率に乗じれば、平成30年の各県賃貸共同住宅の空室率を推定出来る。その空室率は、確定数値から求められるものと大差ない空室率であろうと判断出来る。

 下記にその倍率を求める。倍率算式は、

                 平成25年民間賃貸共同住宅空室率
         ─────────────────────────         
                 平成25年二次的住宅を除く住宅の空き家率

である。


都道府県名 二次住宅を除く空き家率% a 民間賃貸共同住宅空室率b 倍率b/a
全国 12.8 22.7 1.77
北海道 13.7 24.6 1.80
青森 13.5 30.3 2.24
岩手 13.1 22.9 1.75
宮城 9.1 15.4 1.69
秋田 12.4 26.1 2.10
山形 10.1 22.7 2.25
福島 11.0 18.4 1.67
茨城 13.9 29.8 2.14
栃木 14.7 31.8 2.16
群馬 14.8 30.9 2.09
埼玉 10.6 22.5 2.12
千葉 11.9 24.9 2.09
東京 10.9 19.0 1.74
神奈川 10.6 21.6 2.04
新潟 12.8 26.4 2.06
富山 12.5 25.5 2.04
石川 14.1 26.7 1.89
福井 13.5 29.3 2.17
山梨 17.2 34.2 1.99
長野 14.5 28.9 1.99
岐阜 14.2 30.1 2.12
静岡 13.7 28.8 2.10
愛知 12.0 20.7 1.73
三重 14.8 26.2 1.77
滋賀 11.6 23.7 2.04
京都 12.6 20.6 1.63
大阪 14.5 24.9 1.72
兵庫 12.5 23.8 1.90
奈良 13.3 25.7 1.93
和歌山 16.5 30.1 1.82
鳥取 13.8 22.4 1.62
島根 14.0 20.5 1.46
岡山 15.4 24.1 1.56
広島 15.3 23.2 1.52
山口 15.6 24.8 1.59
徳島 16.6 26.0 1.57
香川 16.6 27.7 1.67
愛媛 16.9 26.2 1.55
高知 16.9 23.0 1.36
福岡 12.4 19.1 1.54
佐賀 12.4 20.3 1.64
長崎 14.9 24.2 1.62
熊本 13.8 21.9 1.59
大分 14.8 22.8 1.54
宮崎 13.6 20.3 1.49
鹿児島 16.5 20.9 1.27
沖縄 9.8 13.4 1.37


 例えば、東京都の倍率は、1.74である。東京都の平成30年の空き家率は、10.4%である。

       10.4%×1.74≒18%

18%と求められる。

 神奈川県、千葉県、埼玉県の賃貸共同住宅の空室率は、下記のごとくである。

   神奈川県   10.3%×2.04≒21%
   千葉県    11.8%×2.09≒24%
   埼玉県    10.0%×2.12≒21%

 賃貸アパート・賃貸マンションの空室率は、土地価格を求めるに使う還元利回り、賃料を求めるのに使う期待利回りを求めるのに無視することは出来ない。

 上記で求められた18%とか、24%は、平均経年の空室率であり、新築の建物の場合は、その要因を反映して低い空室率になる。


  鑑定コラム1909)
「住宅の空き家率(二次的住宅を除く)トップは和歌山県の18.8%」

  鑑定コラム1911)「東京ビジネス地区空室率1.78% 2019年3月」


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