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2040)日銀政策委員の2019年度実質GDP+0.8%アップ

 2020年1月20日に、日本銀行は、ホームページに『2019〜2021年度の政策委員の大勢見通し』を発表した。

 それによると、2019年度の実質国内総生産は、前年度比平均+0.8%アップである。

 2019年10月時点の見通しは、平均+0.6%であった。

 2019年度の実質国内総生産は、2019年10月時点より、2020年1月時点の方が、+0.2%上昇している。

 2019年10月1日より、+2%の消費税がアップされたが、その影響を乗り越えて、2020年1月時点での見通しの2019年度の実質国内総生産は、前四半期比+0.2%アップの+0.8%となるようである。

 内閣府が発表している実質国内総生産(支出側)を見ると、下記である。単位10億円。

          2018年4〜6月        130,449.6
          2018年7〜9月        131,772.4
          2018年10〜12月      136,143.6
          2019年1〜3月        135,302.2  (2018年度533,667.8)
          2019年4〜6月        131,597.8 
          2019年7〜9月        134,066.8 
          2019年10〜12月          −

 2018年度の実質国内総生産は、533兆6678億円であった。

 直近1年間(2018年10月〜2020年9月)迄の実質国内総生産は、537兆1104億円である。

 2018年度の実質国内総生産よりも、+0.65%アップしている。

 日銀政策委員の2020年1月の見通しでは、2019年度の実質国内総生産は、2018年度の+0.8%(平均)アップと予測する。

 その割合による金額を示すと、
          533兆6678億円×1.008=537兆9371億円
である。

 果たして、2019年度の実質国内総生産は537兆9千億円になるであろうか。それが分かるのは、2020年5月中頃かそれ以降である。

 2019年10月1日から実施された消費税2%アップ(消費税10%)による2019年10月、11月の小売業の売上高の減少は、予想されたよりも遙かに大きなダメージを日本経済に与えている。

 貿易は、米国トランプ大統領が仕掛けた米国と中国との貿易戦争が決着付かず、両国で依然もめている。両国との貿易取引額が大きい日本は、その貿易戦争の影響をかなり受けている。

 そして2020年正月に判明した中国武漢発の新型コロナウイルスの爆発的蔓延は、現在(2020年2月12日)も続いている。死者は中国内で1000人を越した。毎日100人前後の死者を出す状態である。

 これにより、中国の生産活動は完全にストップしている。経済に与える影響は、甚だ大きい。

 日本企業も中国武漢に工場を持っている。操業延期の状態である。中国からの部品納入が滞り、日本国内の工場生産がストップする事態にもなりかねない。

 こうした状態で、果たして2020年1月〜3月の日本の実質国内総生産は、対前年同期比でプラスを維持する事が出来るであろうか。

 これらを考えると、+0.8%アップの537兆9千億円の実現は無理と私には思われる。

 日銀政策委員は、2020年度、2021年度の実質国内総生産を、2018年度に比して、平均で、
       2020年度    +0.9%
       2021年度    +1.1%
と予測する。

 2020年度は、東京オリンピック開催後の経済の反動が必ずある。経済は停滞する。

 新型コロナウイルスも日本に入ってきており、伝染の防御と押さえ込みに失敗すると、東京オリンピックは延期或いは取り止めということも有り得る。その様な事態になれば、なお経済の影響は大きい。

 2021年度もオリンピック開催後の経済の停滞が続き、上記の数値の達成は無理と私は思う。

 2020年度、2021年度の経済停滞が杞憂で終われば、それに越したことはない。

 鑑定コラム2016)「国内総生産の最高は、2019年9月直前1年間の554兆円か」で、名目国内総生産は2019年9月の554兆円がピークであるという記事を書いた。

 実質国内総生産と名目国内総生産とは、数値が異なるが、動きは同じである。


  鑑定コラム2016)
「国内総生産の最高は、2019年9月直前1年間の554兆円か」

  鑑定コラム2041)「2019年の卸売業・小売業の売上高は460兆円 対前年比▲2.4%減」


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