日本の大手不動産仲介業者の一つである、三井不動産販売株式会社のインターネットによる仲介成約件数割合は10.9%という。(住宅新報 2005年5月24日)
住宅新報の記事に依ると、三井不動産販売のホームページのトップページのアクセス数は、2004年度で396万件という。さすがに日本のトップクラスの不動産仲介業者のホームページのアクセス数は膨大である。一日当り1.1万件弱のアクセスである。
そのうち反響メールは、121,460件という。
反響メールとは何かとよく分からないが、ホームページに掲載されている仲介物件、新築マンション、新築戸建住宅の販売委託物件に対して、その関係資料を送って欲しいという類のメールの事をいうのでは無かろうかと思う。
購入等の検討したいと思い、そうした行動を示した人のメールの数ということであろう。
反響メール121,460件のうちで、成約に結びついたのは13,272件という。
13,272件÷121,460件=0.109
反響メールのネット成約率は10.9%ということになる。
ホームページのトップページのアクセスに対する反響メールの割合は、
12.146万件÷396万件=0.030
3%である。
そして成約に結びつくのは、
0.03×0.109=0.00327≒0.003
0.3%である。
つまり成約するのは1000件の中で3件と云うことである。
不動産仲介業の格言の一つに、
「仲介は千に3つ」
という格言がある。
それは、千の種をまいても芽が出るのは3つ程度であるというたとえである。
不動産の仲介で、仲介物件が多く出回っているが、一業者がそれら多くの物件を扱っても、引き合いは多いが契約に結びつくのは、千件のうちでわずかに3つ程度であるということを云う。
不動産仲介業の成功率の低さ、リスクの大きさをいう。
その文言は、とかく不動産仲介業者が自嘲気味に使う場合が多い。
長い間、先人の不動産仲介業者間で、経験則か或いは自嘲気味かいずれか知らないが云われていた「千に3つ」の文言は、全く根拠の無いものでないということ、むしろ現実の現象であるということが、三井不動産販売のネット成約率で見事に実証されたと云えるのではなかろうか。