○鑑定コラム
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資産評価政策学会の理事の一人である不動産鑑定士の平澤春樹氏が、同学会総会後のシンポジウムの議題について、同学会の理事会への提案書が私の手許に送られてきた。
そのシンポジュウム議題の紹介の前に、資産評価政策学会とはどういう学会か少し紹介する。
資産評価政策学会のホームページの学会紹介によれば、下記である。
「資産評価政策学会は、1997年11月4日に発足した資産評価に関する日本で初めての学会です。研究者のみならず、実務家や行政関係者が三位一体になって理論と実践を融合し、戦後の長い期間放置されてきた不動産問題、資産評価のブラックボックス化および直面している不良債権問題、さらには不動産証券化等について積極的に提言・行動していく学会です。」
同学会の主要な研究テーマとしては、
「「固定資産の大量評価・システム評価」「収益還元法」「定期借地・借家法」「不良債権処理」「不動産証券化」「資産デフレ」などであり、今後は「無体財産」や「企業評価」も研究テーマとして取り上げていく予定です。」
である。
そして同学会会長、副会長は下記の人々である。
会長 岩ア 政明 (明治大学専門職大学院法務研究科教授)
副会長 浅見 泰司 (東京大学大学院工学系研究科教授)
副会長 氷鉋 揚四郎 (筑波大学名誉教授)
副会長 福井 秀夫 (政策研究大学院大学教授)
理事 26人
第6代学会長は、メッセージとして、先人学会長の素晴らしい業績を引き継ぎ、
「租税法・行政法の分野における資産評価政策を発展させる観点から、第6代会長を務めさせていただいております。」
と述べる。
会員として、日本全国の地方公共団体の固定資産税課長達が入っており、固定資産税の路線価の公開に大きな貢献をしている学会と、私は認識している。
その資産評価政策学会で理事の一人を務める不動産鑑定士の平澤春樹氏が、同学会総会後のシンポジュウムの議題として理事会にはかる提案書は、下記の内容である。
平澤氏の了解を得て、転載する。
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次年度総会後のシンポジウム企画提案
2022年12月9日
株式会社都市開発研究所
不動産鑑定士 平澤春樹
1、 テーマ 不動産鑑定評価の実態とこれらへの対応
2、提案趣旨
大阪IRカジノ用地(492,359u)の不動産鑑定(賃料)について、A鑑定会社(原文には社名が記されているが転載者が仮名とする。)を含む4社中3社の鑑定が、@土地価格120,000円/u A利回り4.35% B賃料428円/uが全て一致するという驚くべき不動産鑑定評価が行われています。
先年より、森友学園払い下げ価格、晴海オリンピック村跡地開発東京都売却価格など、国や地方自治体等が発注依頼する不動産鑑定が社会問題化しています。
依頼する国や公共団体も不動産鑑定制度を充分理解した上で、これを悪用しているような現状があります。
一方、固定資産税標準地評価における談合や手抜き評価並びに取引事例の取扱いの問題等、制度の根幹を揺るがす恐れのある実態が明らかになってきています。
不動産鑑定制度は、それ自体、資本主義市場経済のインフラとして制度化されています。世界的に透明度の高いと言われている日本J-REITにおいてさえ、不動産鑑定においてB投資法人(原文には社名が記されているが転載者が仮名とする。)の如き不動産評価問題が発生しています。
この様な不動産鑑定法、不動産鑑定評価基準無視の慣行が続くと、社会的信頼を失い、もはや制度インフラとしての機能を失うことが危惧されます。
この様な状況の中で、実務に携わる不動産鑑定士は、今後の対応も含め、どの様に考えるべきかについて、正面から取り組むシンポジウムを企画・実施し、このことを通じて、資産評価政策学会が今後政策提言を行うための基礎としたい。
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さて、資産評価政策学会理事会で提案書が承諾された場合、シンポジュウムで学者達は、不動産鑑定士の行動及び不動産鑑定評価に対して、どの様な発言が飛びだして来るであろうか。
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