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259)中級・高級・超高級のマンション賃料

 東京都内のマンションの賃料の最も高い区は、港区であると平成16年マンション賃料分析で分かった。

 港区の平均賃料は、平方メートル当り4,294円(標準偏差852)であった。
 足立区、葛飾区のマンション賃料は、平方メートル当り1,873円、1,877円であるから、両区のマンション賃料は、港区の半値以下の0.44の賃料水準である。

 港区のマンション賃料の高水準が、足立区、葛飾区のマンション賃料を知れば、より一層わかろう。
 しかし港区内の賃貸マンション全てが、平方メートル当り4,294円であるということにはならない。

 港区内の賃貸マンションにあってもピンからキリまである。
 駅に近く、築年も新しく、好環境にあり、極めて品等の良い建物で、入居者の所得水準も高く、管理も行き届いているマンション、いわゆる超高級賃貸マンションから、超高級とまでは行かなくとも、それより少し立地、品等で劣る高級賃貸マンション、そして高級賃貸マンションより品等が落ちる一般的な賃貸マンション、築年数の古く、品等も劣る並の賃貸マンションがある。

 それらの賃貸マンションの賃料はどの位であろうか。
 上記平均賃料と標準偏差より、それら賃貸マンションの賃料水準を推定してみる。

 築年10年程度で、面積50〜60平方メートル程度で、駅より徒歩7〜8分程度、管理もそこそこ行われている賃貸マンションを中級賃貸マンションとする。

 並の賃貸マンションは、築年古く、中級とは言えないレベルのマンションとする。
 高級賃貸マンションは中級賃貸マンションよりワンランク上で、新しく、面積も70平方メートル程度あり、管理人のいるマンションとする。

 超高級賃貸マンションとは、高級賃貸マンションよりももっと豪華で、金持ちしか住めないマンションで、100棟の賃貸マンションがあるとすると、そのうちの2〜3棟しかないレベルの賃貸マンションとする。

 中級賃貸マンションのレベルのものがもっとも多いとすれば、その賃料は平均賃料ということになり、平方メートル当り4,294円(≒4,300円)である。

 並の賃貸マンションは、標準偏差の1倍の下限付近にあるマンションと考えると、
        4,294円−852円=3,442円≒3,440円
の賃料水準のマンションとなる。

 高級賃貸マンションは、標準偏差の1倍の上限付近にあるマンションと考えると、
        4,294円+852円=5,146円≒5,150円
の賃料水準のマンションとなる。

 超高級賃貸マンションは、100棟の賃貸マンションがあるとすると2〜3棟しか無い賃貸マンションである。
 その出現率は標準偏差で考えれば、1.96ということになる。
        4,294円+852円×1.96=5,964円≒5,960円
 超高級賃貸マンションの賃料は、平方メートル当り5,960円となる。

 以上をまとめると、港区のマンションの賃料は、

 
 並の賃貸マンション         平方メートル当り3,440円(坪当り11,400円)
 中級賃貸マンション         平方メートル当り4,300円(坪当り14,200円)
 高級賃貸マンション         平方メートル当り5,150円(坪当り17,000円)
 超高級賃貸マンション     平方メートル当り5,960円(坪当り19,700円)
ということになる。

 各賃貸マンション区分と標準偏差との関係の実証性がより必要であろうと思われるが、中級賃貸マンションが全体の69%、超高級賃貸マンションが2.5%、高級賃貸マンションは13%の存在割合と考えて求められた賃料である。

 上記で求められた賃料水準が絶対的なものでは無いことは、言を待たない。
 駅距離、経年、面積、管理状況、階層、角部屋、向き、入居者の質、建物の施工・品等、環境等の種々の要因が賃料の形成に係わっており、各賃貸マンションごとに賃料水準は異なるが、上記分析の賃料は一つの大まかな賃料把握の目安にはなるのでは無かろうか。

 また求め方も、こうした求め方もあると知ることは、賃料の求め方・把握の世界を広げてくれるのでは無かろうか。

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