○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

284)6.9兆円という巨額の平成17年度の不動産証券化

 国土交通省の土地情報課は、平成17年度中に不動産証券化された資産は、約6.9兆円と発表した。(2006年6月9日 国土交通省ホームページ「平成17年度 不動産の証券化実態調査」)

 平成17年度に不動産証券化された資産金額は、平成16年度の金額より30%の増加である。
 企業の減損会計に対応した遊休不動産の売却が増えたのか。賃貸ビル、賃貸マンションの証券化が一般化したことによる増加か。

 実物不動産による証券化よりか、信託受益権による証券化が圧倒的に多い。 信託受益権による証券化は、実物不動産による証券化の約6倍である。

 信託受益権による証券化をほぼ独占的に行っている信託銀行は、「我が世の春」を謳歌しているようだ。

 平成9年以降の不動産証券化の実績も同省は発表しているから、その金額を転記する。
 すさまじい不動産証券化の金額の増加が分かるであろう。


    平成 9年       616億円
    平成10年             3155億円
    平成11年          1兆1670億円
    平成12年          1兆8670億円
    平成13年          2兆7777億円
    平成14年          2兆5409億円
    平成15年          3兆9837億円
    平成16年          5兆3350億円
    平成17年          6兆9117億円
          合計          24兆9601億円(筆者計算)

 平成9年度から平成17年度までに、不動産証券化された資産は、筆者の計算によれば約25兆円である。

 この金額を見て、
 「ああ儲けるチャンスを逃した。そんなに儲けることが出来る業種・機会があったのか。」
と思う人が必ずいるであろう。
 それは情報の大切さ、時代の変化の流れを読む洞察力に欠けていたことに他ならない。
 私は金儲けとはあまり縁が無いから、他人がどれ程儲けようが、それはそれと思うことにしている。

 上記数値には、一部転売された物も含まれているが、25兆円の不動産が証券化され、私募債も含めて不動産の証券が市場に出回ったのである。

 事故が無ければと願うのみである。

 上記の国土交通省の「平成17年度 不動産の証券化実態調査」は、下記ホームページアドレスで確認出来ます。

      http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/03/030609_2_.html

 信託受益権とはどういうものかについては、多くの関係書物が出ており、詳しくはそれらに任すが、本鑑定コラムの下記記事に甚だ簡単に説明している。
  鑑定コラム199)ナイガイの2つの倉庫の売却

フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ