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フイットネスクラブ事業を経営する株式会社ルネサンスが、株式会社玉島スポーツプラザを買収した。(2006年5月10日 株式会社ルネサンスHPプレスリリース)
株式会社ルネサンスのホームページのプレスリリースによれば、同社は2006年3月現在で、76ヶ所のスポーツクラブを直営運営しているという。
平成18年3月期のルネサンスの売上高等は、同社の決算書によれば下記の通りである。
売上高 28,783,969千円
売上原価 24,826,933千円 (86.3%)
売上総利益 3,956,996千円 (13.7%)
販管費 1,433,612千円 (4.9%)
営業利益 2,523,382千円 (8.8%)
総資産 16,669,639千円 (57.9%)
(注)括弧内の数値は、売上高に対する割合
一方、買収される株式会社玉島スポーツプラザの、平成18年3月期の売上高等は、下記の通りである。
クラブ施設 4クラブ(倉敷市、福山市2店舗、東広島市)
総資産 1,844,000千円 (54.8%)
売上高 1,011,000千円
経常利益 73,000千円 (7.2%)
(注)括弧内の数値は、売上高に対する割合
ルネサンスの1クラブ当りの売上高は、
28,783,969千円÷76≒378,700,000円
である。
フイットネスクラブは大半が賃借建物であるが、新しくフイットネスクラブ店舗を作ろうとすると、保証金・敷金の一時金、フイットネスクラブの設備工事を含めた投資金額は、ルネサンスの場合、1クラブ約3億円程度必要と同社の有価証券報告書は述べている。
売上高と投下資本の関係は、投下資本は売上高に対して、
300,000,000円÷378,700,000円=0.792≒0.80
である。
ルネサンスの玉島スポーツプラザの企業買収金額は公表されていない。
以下に私の勝手な推測で、企業買収価格の推定を試みる。
玉島スポーツプラザの売上高は10.11億円である。4クラブであるから、1クラブの売上高は、
10.11億円÷4=2.53億円
である。
1クラブを新設する場合の投下資本は、上記のルネサンスのクラブ新設の分析によれば、売上高の0.8である。
2.53億円×0.8=2.02億円
2.02億円×4クラブ≒8.1億円
中古である要因修正を0.9とすると、
8.1億円×0.9=7.29≒7.3億円
7.3億円と求められる。
もう一つ違った面より分析する。
玉島スポーツプラザの経常利益は、7300万円である。
営業利益は発表されていない。
営業外収益、営業外費用は同額と考え、営業利益は経常利益に同額と見なす。
営業利益を7300万円とする。
ルネサンスの18年3月の営業利益率は、8.8%である。
1/0.088=11.4
8.8%の利率は、11.4年の投下資本回収年に相当する。
ルネサンスの経営実績から見れば、ルネサンスの投下資本回収年は11.4年であることになる。とすると、この回収年と大きくかけ離れてフイットネスクラブの買収は無いであろうと推測出来る。
しかし、企業買収する側は、自社の利益率よりも高い利益率を買収側は考えるであろう。それはリスクを見込むから当然である。
自社の利益率から逆算する投下資本回収年、そしてリスクを加えると、企業買収の投下資本の回収年は10年程度と考えられるのでは無かろうか。
1/10=0.1
投下資本利回りを10%とする。
7300万円÷0.1=73000万円
玉島スポーツプラザの推定営業利益と、投下資本回収期間より分析した価格は、73000万円である。
上記2つの分析から、ルネサンスの玉島スポーツプラザ企業買収価格は、
73000万円
と、私の分析では推定される。
売買価格は当事者しか分からない。
どうしても当該物件が欲しい時は、高い価格で購入しょうとする。それは不動産売買の買い進みと同じである。
上記推定価格は、当たらず遠からずか。あるいは全くかけ離れた金額か。
価格を論理的に推理するのも楽しい。
企業が提示する数値を、今迄の企業価格分析で得た知識や不動産鑑定評価で培った知識でいじくっていると、数値の合間に企業・経営者の考え方、思惑などがぼんやりと少し見えてくる。それが合っているかどうか分からないが。
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