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前記鑑定コラム316)「不動産ファンドへの貸出規制」(2006年12月2日付)の記事で、都心商業地、優良住宅地の地価が、摩擦係数ゼロになって怒濤のごとく上昇していると述べた。
記事の内容のごとく、本当に地価が怒濤のごとく上昇しているのかと思われる人もいるかと思われることから、その具体的例を別の不動産会社の発表しているデータで示す。
大手不動産会社野村不動産の子会社である野村不動産アーバンネット(株)が、都内23区等の商業地・住宅地の地価を、3ヶ月ごとに調査してポイント地点の土地価格を発表している。
その発表レポートによれば、2005年10月〜2006年10月までの1年間の、商業地・住宅地の価格上昇の著しい(上昇率30%以上)ポイントの地価、上昇率は下記のごとくである。 坪当り万円。
(商業地) 2005年10月(a) 2006年10月(b) 上昇率%(b/a)
渋谷区道玄坂 2800万円 5000万円 78.6
中央区日本橋兜町 1050万円 1450万円 38.1
渋谷区道玄坂の商業地の年間上昇率は、78.6%である。無茶苦茶と言いたい値上がりである。
住宅地は上昇率30%以上のものを記すと、下記の通りである。
(住宅地) 2005年10月(a) 2006年10月(b) 上昇率%(b/a)
港区赤坂8丁目 500万円 900万円 80.0
目黒区三田2丁目 280万円 400万円 42.9
港区高輪4丁目 360万円 500万円 39.9
港区南麻布5丁目 470万円 650万円 38.3
目黒区上目黒3丁目 300万円 400万円 33.3
である。
赤坂8丁目の住宅地は80%の値上がりである。怒濤のごとく異常としか言いようが無い上昇ではなかろうか。
一方、上昇率0%のものも1個所ある。豊島区南長崎1丁目の住宅地である。
この調査結果は、野村不動産アーバンネット(株)の独自の調査であり、調査の結果得られた変動率が必ずしも地域の価格動向を正確に表しているものでもなく、また価格相場を代表しているものでは無いとレポートに断り書きが入っている。
その断り書きを考慮したとしても、都心の商業地・住宅地の、この1年間の地価の上昇は著しいどころか無茶苦茶である。土地価格政策と言うものが、この日本には存在しているのであろうかと疑問視せざるを得ない。
関西では神戸・大阪の商業地の地価上昇が著しい。下記の通りである。
2005年10月(a) 2006年10月(b) 上昇率%(b/a)
大阪市中央区安土町 390万円 560万円 43.6
神戸市中央区北長狭通 160万円 270万円 68.8
土地価格の上昇は地方の都市にもやはり及んでいる。
こんなに土地価格が上がって、どうするのであろうか。
この先どうなることやら。
自由経済だから土地価格は上がりたければ、上がれば良いではないのかとうそぶき、不作為の作為行為の政策をとり続けるのであろうか。不動産を小馬鹿にしているのではなかろうか。
先のバブル経済の崩壊後、「あの政策は間違いだった」と、大蔵省事務次官そして日銀総裁を勤め、いわば日本人の官僚のトップのトップで、最高のエリートコースを歩んできた人が、あたかもバブル経済の不作為行為を他人ごとのごとく言っていたことを思い出す。現象が生じてしまった後になって謝れば済む問題では無かろう。何故その時、その職に有りながら、適切な対策を行わなかったのか。それだけの責任があるのでは無いのか。
職にあって、職として適切な行為を行わなかったが故に、その後どれ程の日本経済の苦しみを国民は味わっているのか。不作為の作為犯では無いのかといいたくなる。
上記、野村不動産アーバンネット(株)の商業地・住宅地地価調査レポートは、下記http をクリックすれば閲覧出来ます。
商業地は下記アドレスです。
http://www.nomu.com/knowledge/chika/pdf/200610business.pdf
住宅地は下記アドレスです。
http://www.nomu.com/knowledge/chika/pdf/200610house_tokyo_23.pdf
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