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329)相模湖ピクニックランドの売買

 富士急行株式会社が、三井物産の全額出資会社である株式会社相模湖ピクニックランドを買収することになった。(2006年12月25日 富士急行HPプレスリリース)
 売買価格は発表されていない。

 相模湖ピクニックランドは、東京の西の郊外、相模湖畔の丘陵地にある自然を親しむことをテーマにした遊園地である。
 HPでプレス発表された会社概要は、次のごとくである。
  開園     1975年
  来園者    305,000人(2006年3月期)
  売上高    914,000,000円(2006年3月期)

 同園は、開園して32年経過している。
 一人当りの入園料等は、
      914,000,000円÷305,000人≒3,000円
3,000円である。

 企業売買の価格は発表されていないことから、私の勝手な知識と分析方法で以下のごとく推定する。この価格はあくまでも私の勝手な推定価格であることを了解していて欲しい。

 経済産業省が発表している『平成16年特定サービス産業実態調査報告書(遊園地・テーマパーク)』によれば、遊園地の統計データは下記のとおりである。

   遊園地数   115
   年間売上高  122,019百万円
      年間営業費用 112,587百万円

 このデータより、営業利益は、
     営業利益=年間売上高−年間営業費
の式より、
    122,019百万円−112,587百万円=9,430百万円
である。

 全国遊園地事業の営業利益率の平均は、
     9,430百万円÷122,019百万円=0.077
7.7%である。

 この7.7%は、投下資本回収年で考えると、
     1/0.077=12.98年≒13年
である。
 これから遊園地の投下資本回収年の平均は13年といえる。

 一方、相模湖ピクニックランドを買収する富士急行株式会社は、富士山の麓で富士急ハイランドと言う大レジャーランドを経営する企業である。
 富士急ハイランドには、子供が保育園に通っていた頃は、東京から中央高速自動車道路を1時間程度走り、保育園のバス遠足で保護者として付き添って行った所でもある。保護者は圧倒的に女性の母親が多く、男の父親の保護者はいなくはなかったが珍しく、やや場違いなところに来たかなと思ったことを想い出す。又、冬は屋外の大スケートリンクを何回か訪れ、子供と遊んだ所でもある。

 富士急行株式会社の平成18年3月期の発表されている損益計算書を見ると、
  観光事業の売上高    15,744,626千円
  観光事業の営業費    14,307,359千円
  観光事業の営業利益    1,437,266千円
である。

 富士急行株式会社の観光事業の営業利益率は、
        1,437,266千円÷15,744,626千円=0.0913
9.13%である。
 この求められた9.13%を投下資本回収年に換算すると、
     1/0.0913=10.95年≒11年
である。

 遊園地の投下資本回収年は、
        経産省のデータより     13年
    富士急行の経営実績     11年
である。
 両データより、遊園地の投下資本の回収年は11〜13年と考えられる。

 買収する富士急行にとって投下資本の回収年数が11年と、自社の営業利益率相当の11年という短い期間で回収するのがベターであるが、譲渡する側の三井物産の売却思惑もあることから、中を取って投下資本の回収年は12年とする。
 還元利回りは、
    1/12≒0.083
ということになる。

 では相模湖ピクニックランドの営業利益は一体いくらかと言うことになる。
 その営業利益はプレス発表されていない。まさか赤字では無いであろう。

 帝国データバンクが発行する『2007年帝国データバンク会社年鑑 東日本』p3803に発表されている相模湖ピクニックランドの業績データは、次のごとくである。

                   収入               純利益
 16年3月期    878百万円     28,823千円
 17年3月期    924百万円     38,951千円
 18年3月期    925百万円     41,000千円

 18年3月期の営業利益率は、
       41,000千円÷925,000千円=4.4%
である。

 相模湖ピクニックランドの営業利益率を4.4%として、売上高はホームページのプレスリリースの914百万円を採用すれば、
   914,000,000円×0.044=40,216,000円
             ≒40,000,000円
である。

 還元利回りは8.3%と求められていることから、
     4000万円÷0.083=48,192万円
             ≒48,000万円
相模湖ピクニックランドの企業売買価格は、4.8億円と求められる。

 売上高との関係では、
       4.8億円÷9.14億円≒0.53
売上高の0.53の売買価格である。

 遊園地の価格は、売上高のおよそ半値程度と言うことか。
 
 上記で相模湖ピクニックランドの企業売買価格は4.8億円と求められたが、実際の売買価格がいかほどで決定されたかは発表されていないから不明である。上記分析価格と大幅にかけ離れた価格であるかもしれない。それは当事者しか知る由が無い。
 上記価格は、最初に述べたごとく、発表されている少ないデータで、私が勝手に分析して推定した価格であることを改めて断っておく。
 

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