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660)2009年東京RC造建築費は1平方メートル当り27.0万円

 国土交通省が、2009年1月〜12月の1年間の建設統計データを、『建設統計月報』2010年4月号(財団法人 建設物価調査会 平成22年4月10日発行)に発表した。

 それによれば、東京のRC造の建設統計データは、次の通りである。

          棟数       2,802棟
          延べ床面積        5,189,818u
          工事費予定額   140,070,447万円

 上記データより、RC造1u当りの建築工事費は、

     140,070,447万円÷5,189,818u=26.989万円≒27.0万円

27.0万円である。

 1年前の2008年1月〜12月の東京RC造の建設統計データは、同誌2009年4月号(財団法人 建設物価調査会発行)によれば、下記の通りである。

          棟数       3,992棟
          延べ床面積        7,873,575u
          工事費予定額   198,368,940万円

 上記データより、RC造1u当りの建築工事費は、

     198,368,940万円÷7,873,575u=25.19万円≒25.2万円

25.2万円である。

 まとめると、
          2009年  u当り  27.0万円
     2008年  u当り  25.2万円

である。2007年の建築工事費は、
     2007年  u当り  22.9万円
である。

 2009年の東京RC造の建築工事費は、2008年のそれよりも値上りしている。
 その値上り率は、

     27.0万円÷25.2万円=1.071

7.1%のアップである。

 この原因は何であろうか。

 19ミリ異形棒鋼の東京高値は、一時トン11万円台の水準まで上昇したが、上がり過ぎて、トン6万円台の水準にある。
 建築費の高騰の原因は、鋼材価格の値上りによるものでは無かろうかと思われるが、しかし、建築棟数、延べ床面積が大きく減少している。
 自由経済の行為からすれば、仕事獲得の為に価格競争して、それに伴い建築費は下落するのでは無いのか。
 それとも建築需要が減ると、建築工事費はアップするのか。
 どうも建築費上昇の原因が、はっきりと分からない。

 それにしても、ここ1年間の東京の建築棟数、延べ床面積、建築工事費の総額の減少が大きすぎる。

 建築棟数        2,802棟−3,992棟=▲1,190棟
  延べ床面積      5,189,818u−7,873,575u=▲2,683,757u
  工事費予定額    140,070,447万円−198,368,940万円=▲58,298,493万円

 棟数で約1,200棟、床面積で270万u、建築費で5800億円の減少である。
 建築棟数は42%の減である。延べ床面積に至っては52%の減である。

 この東京の1年間の減少量は、大阪府・京都府を併せた2府のこの1年間のRC造新築着工建物にほぼ相当する。

 大阪・京都で、RC造が1年間一棟も建たなかったとしたら、大阪・京都の建設会社は軒並み倒産してしまうであろう。それだけの量と額が東京では1年間に減少したのである。いかにその減少量・減少額が大きいかが分かろう。

 2009年にこれだけ減少し傷みつけられれば、2010年は対前年度比では上昇するであろう。
 期待したい。


 鑑定コラム542)「2008年東京RC造建築費は1平方メートル当り25.2万円」

 鑑定コラム785)「2010年都道府県のRC造建物建築工事費」

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