○鑑定コラム


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742)入口インフレ、出口デフレ

 東証一部上場の食品会社の幹部と話をする機会があった。

 最近の景気状況を聞いたところ、その食品会社の幹部は、

 「入口インフレ、出口デフレの状態だょ。」

という。

 その食品会社は原材料を輸入している。
 そのことから、私は、

 「円高で輸入の原材料は安く手に入れられることから、利益が出ているのでは無いのですか。」

と問うた。

 この問に対して、

 「円高のメリットは無い。」

という返事が返って来た。

 「それはどうして?」

と聞くと、

 「輸入原材料の値段の上昇が激しく、それによって円高のメリットが吹っ飛んでしまった。
 円高のメリットなぞ無くなってしまった。」

という。

 現在の為替レートは、

       1ドル=82円

である。

 1ドル=95円の時と較べれば、はるかに円高であり、原材料輸入業者は潤っていると思っていたが、海外より調達するその原材料の現地価格が、大幅に値上がりしていては、円高のメリットは無くなるという事になる。

 作った商品は、経済がデフレで消費者の財布の口のひもは堅くなかなか買ってくれなく、売るための販売競争が激しく、仕方無く販売価格の値下げ競争して売っている。

 「利益をどうやって出そうか頭を痛めているところだ。」

とその幹部はいう。

 私は製品製造企業で働いたことも無く、それら企業の経営に携わったことも無いことから、具体的に企業の経営の現在のおかれている状況がはっきりと分からないが、話を聞くと、日本企業は、全部とは言わないが或いは一部企業だけだと反論する人はいるであろうが、現在大変な状況にあるようだ。

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