○鑑定コラム


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791)賃料の支払を2ヶ月以上怠ったとき・・・・・

 不動産仲介業者が提示した賃貸借契約書を、貸主と弁護士を交えて検討している。

 賃貸借契約書は、不動産仲介業者が自社で広く使っているものと称して提出したものである。

 貸主が言うには、仲介業者はこの契約書が一番よいから、この契約書を採用したいとのことである。

 仲介業者が、長年の経験と知識の試行錯誤によって、修正を加えて出来上がった賃貸借契約書であるから、もっとも現実に適合した適正な賃貸借契約書であると暗に言っているようである。

 仲介業者の経験とノウハウは尊重したい。

 しかし、完璧な契約書と言うものは無かろう。

 賃貸借契約書の中の契約解除条項に、下記の文章があった。

 「@ 賃料の支払を2ヶ月以上怠ったとき・・・・・」

 支払賃料を2ヶ月以上怠った時、即ち、支払わなかった時に賃貸借契約は解除出来るという条項である。

 この条項が、借地借家法の強行法規の規定に違反するかどうかは、さて措くとして、「2ヶ月以上怠ったとき」の条文が、大家である賃貸人にとって優位な条文文章であるだろうか。

 2ヶ月以上賃料の支払をしなかったのであるから、賃貸借契約が解除出来るのは当然ではないかと思われる人は多く居ると思われる。

 だが、この「2ヶ月以上怠ったとき」の文言に落とし穴が存在する。

 「2ヶ月以上怠ったとき」という文言を素直に読めば、それは賃料不払いが連続した状態で「2ヶ月以上」という解釈になる。

 即ち、7月・8月或いは7月・8月・9月と連続した2ヶ月以上の賃料不払いがなければ、契約解除条項の条件は成立しないことになる。

 もし7月は不払い、8月入金、9月不払い、10月入金というごとく、隔月に賃料不払いがあった場合に、「2ヶ月以上怠ったとき」という契約解除条項で、その賃貸借契約は解除出来るであろうか。

 上記状態で賃借人側が、

 「2ヶ月以上とは、2ヶ月連続した状態の賃料不払いをいうのであって、当方は2ヶ月連続して賃料不払いをしていない。よって契約解除は無効である。」

という主張がなされる可能性が大である。

 これでは折角の契約解除条項の「2ヶ月以上」の文章は、何の意味も持たない。

 「2ヶ月以上」でなく、「 2ヶ月分以上」と2ヶ月の後ろに「分」の一文字を入れるのが良いと私は思うが。

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