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796)敷引契約はマンション賃貸の4%たらず

 敷引の賃貸借契約はどれ程あるであろうか。
 先の鑑定コラム795)「敷引特約は違法であると言う最高裁裁判官が一人出現した」において、敷引契約について述べた。

 その記事の中で、訴訟事件が起きた京都の「宝ケ池」駅勢圏及び左京区のマンション賃貸で、敷引特約がどれ程あるか述べた。

 良く考えれば、これでは不充分である。
 平成23年8月時点で、京都市内のマンション賃貸の取引で敷引特約のついた賃貸がどれ程有るのかを調べておくべきと判断した。

 全てのマンション賃貸取引を調べることは大変である。

 貸室仲介を行っている不動産業者が入会している京都府宅地建物取引業協会が、ホームページで発表している募集データで調べることにする。

 そのホームページによれば、京都11区のマンションの賃貸募集データ数は、下記のごとくである。(平成23年8月13日現在)

              北区      147件
               上京区          135
               左京区          168
               中京区          144

東山区 79 山科区 285 下京区 91 南区   52
右京区 146 西京区 161 伏見区 153 計 1,561

 1,561データの内、賃貸面積50u以上のマンションという条件を付けると、データ数は164件に絞られた。

 この164件の募集データで、敷引特約の有るデータは、下記の6件であった。

        所在               月額賃料      保証金       敷引金
 ・山科区竹鼻地蔵南町   7.75万円   30万円   15万円
  ・中京区聚楽西町     10.5           30          20
 ・下京区河原町通五条上る西橋詰町
                            9.0           40          30

 ・左京区一乗寺中ノ田町 14.0 40 30  ・左京区浄土寺上馬場町 18.0 3ヶ月 40%  ・伏見区深草堀田町 8.5 50 20

 敷引金がどの様な合理的経済経験則で決められているのか私には分からない。
 賃貸借契約で金銭が授受されるのであるから、その行為には何らかの経済合理性があり、それに裏付けされた経済行為であろうと思われる。そうでなければ、敷引金を支払う賃借人は理由無く、高額の敷引金と称する金額を賃貸人に支払うことになってしまう。

 敷引特約の有る募集データは、164件の中で6件である。
 割合にすると、

      6÷164=0.0365

4%にしか過ぎない。

 敷引特約に経済合理性が有ると判断されれば、もっと多くの賃貸借契約に利用されるのであるが。


  鑑定コラム795)
「敷引特約は違法であると言う最高裁裁判官が一人出現した 」


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