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876)パチンコ店の倒産が減っている(帝国データバンク)

 帝国データバンクが、2012年1月26日付でパチンコホールについての調査を発表している。

 過去に私は、パチンコ店の土地建物の価格評価、継続賃料の評価のいくつかを行っており、パチンコ店の不動産と不動産鑑定とは無関係では無い。
 それ故、帝国データバンクのパチンコホールの調査には興味がある。

 帝国データバンクの調査によると、過去10年間で倒産のピークは、2007年、2008年で、各年72件(負債額1千万円以上。法的整理のみ)であった。

 昨年(2011年)のパチンコホールの倒産は22件である。
 倒産は激減している。

 パチンコホールの倒産のこの激減の原因は何かについて、帝国データバンクは、次の3つの要因を挙げる。

@ 淘汰が一巡した。
 「現在も営業している業者は、2007年のダイエーショックと呼ばれる金融機関、リース会社の与信縮小にも耐え」、また、「パチスロ5号機問題も乗り越えた業者である」から、倒産への抵抗力のある業者のみが現在生き残っている。

 「ダイエーショック」とは、スーパーストアのダイエーのことでは無い。パチンコ業者のダイエーのことである。

 パチンコ業者「ダイエー」は、福島県会津若松市に本社を構え、「東北の雄」と呼ばれ、東北一の売上高を誇り、全国規模で第6位の売上高を挙げていた。
 そのダイエーが2007年倒産したのである。
 その倒産の影響をパチンコ業界では、「ダイエーショック」と云う。

 「パチスロ5号機問題」については、ここで述べると長くなるから、省略する。
 パチンコ店の経営者に会う機会があったら聞かれたい。

 淘汰一巡の判断根拠として、警察庁発表のパチンコ営業許可数のデータを、帝国データバンクは挙げている。

 その数値は下記である。

          2007年   13,585営業所
     2010年   12,479営業所

A 新規設備投資の縮減
 新台の入れ替えを手控え、中古台で営業している。
 この判断根拠のデータは、パチンコ・パチスロメーカーの販売台数の減少数を示している。その数値は下記である。

     2007年3月期    780,000台
     2010年3月期    540,000台
 
B 広告宣伝費の削減
 帝国データバンクは、この判断根拠として、株式会社マルハンの広告宣伝費の減少データを示す。下記である。

     
     2008年3月期    13.94億円
     2011年3月期     4.3億円

 帝国データバンクは結論として、パチンコホール業者の倒産については、「しばらく低水準で推移するであろう」と予測する。

 帝国データバンクのパチンコ店についてのこの調査報告は、パチンコ店の資産価値を評価する際、パチンコ業界は現在どういう状況にあるかを知るには良い資料になると思われる。


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