下記の写真は、何処の景色であろうか。
名所・旧蹟を写したものではない。
ごく日常目にする風景である。
川の両側の土手に松が植えられている。
その松が並木になっている。
多くの土手では、桜が多い。
土手に松の木の並木はあまり見ない。
その松並木が、環境に適合し、地域に落ち着いた雰囲気を醸し出している。 これが良い。
川は両岸の土手に挟まれている。
川が流れる土手と土手に挟まれた部分を「堤外地」(ていがいち) と言う。
土手と土手に挟まれた内に川があるのに堤外地なのかと思われるかもしれないが、堤の外に川はあると認識する。
では、人家の建っている処は何と云うのかというと、「堤内地」(ていないち)と言う。
この堤内地の土地が、住宅地であり、商業地であり、工業地であり、その土地の価格を不動産鑑定士は、適正な価格をどれ程か調査し鑑定評価している。
堤外地の土地を評価する時もある。
この写真の堤外地の場合はあるかどうか分からないが、堤外地に民間の私有地があることがある。
私も東京多摩川の中の土地を評価したことが何度かある。
大雨で増水した時は、濁流が流れている川床の土地になってしまう土地である。
こうした堤外地の土地を融資の担保として、銀行は抵当権を設定している場合がある。
恐らく現地を確認せずに抵当権を設定していたのでは無かろうかと推測するが。
堤外地は原則として公有地であることから、そこに私有地が存在することは好ましくなく、河川管理者は公有地にするべく、民間所有者から堤外地の所有権を取得している。
その時の取得するための適正時価の把握の為に、不動産鑑定評価が必要である。
この写真からもう一つ。
川は、写真の奥に写っている山より、写真手前に流れている。
川の両岸の呼称はどういうのかと言うと、この写真でいえば、写真の写っている右側の部分を「左岸」、左側の部分を「右岸」と言う。
それは、川の上流より、川の流れる下流を見て、右側を右岸、左側を左岸というのである。
上流を見て云うのでは無い。下流を見ていうのである。ここを間違えないように。
このことは、鉄道の列車の乗降口を車掌が乗客に説明する時も、進行方向に対して、右側のある場合を「右側ドア」、左側にある場合を「左側ドア」と云うのと同じである。
列車の進行方向=川の流れの方向
である。
最近(平成24年9月中旬)、兵庫県に行って来た。
上記写真はその時に撮ったものである。
場所は「阪神芦屋」駅より、六甲の山側を見た写真である。
阪神芦屋駅は、川の上にプラットホームがある「橋上駅」である。
その橋上駅のプラットホームより、六甲の山側をパチリしたものである。
川には芦が繁っている。
土手の松並木が甚だ良い。
鑑定コラム965)「2012年8月の神戸ホテル客室稼働率は89.5%」
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