工場の製品売上高、純収益から、工場の土地・建物の価格を求める方法について講演することになった。
企業収益還元法を具体的に解説、説明する講演内容である。
工場の鑑定評価の手法は、土地価格は、周辺の工場地の取引事例から比較して求め、建物は現在建築するといくら建築費がかかるかという再調達原価に、建築後の経過年数による減価修正を行って求める。この建物の求め方を間接法という。
土地は取引事例比較法によって求め、建物は間接法によって求めた価格を加算して、工場不動産の価格を求める。この求め方を原価法といい、求められた価格は積算価格と呼ばれる。
工場不動産の価格は、今まではほとんどこの積算価格が鑑定評価額として採用されていた。
その工場からの製品売上高収益について分析され、その収益から工場不動産の価格を求められることはほとんど行われなかった。
理論では企業収益のうち不動産に配分される収益を資本還元すれば、当該工場の不動産の価格が求められることはわかっていた。しかし、実務ではあまり行われなく、行っても参考程度に試算し、収益より得られた収益価格を鑑定評価額として採用することは行われていなかった。
その最大の原因は純収益のうち、不動産に配分される適正な利益を担保する合理的理論が無かった為である。そのネックになっていたのが、純収益のうち「経営に属する利益」を合理的に説明出来る実践の担保理論が無かった為である。
企業収益から工場の不動産の価格を求める手法を、試行錯誤を行いながら、何とか見つけることが出来た。欠点は未だあるが、1つの求め方として具体的にその求め方を講演で紹介したい。
工場の価格の求め方を、いつまでも積算価格に頼っている時代ではない。
工業団地の工場用地の大量の売れ残り現象、そして多くの工場の中国移転現象の出現によって、工場を積算価格で捉えることの矛盾が明らかにされてきた。
企業経営者は工場を建設する時には、採算性を度外視しては建設しない。製品売上高、収益性をはじいて工場建設に踏み切るのである。
これらを考えれば、収益に裏づけされて工場の不動産の価格は評価されるべきである。
もう1つの講演のテーマは都心の本社事務所の存在についてである。
都心に20階、30階建の本社事務所ビルがどうして建つことが出来るのか。
本社ビルは直接には利益を産まない。それにもかかわらず、企業の本社が都心で存在可能なのはどうしてなのか。
それは工場の企業収益還元法を使うことによって、初めて論理的に説明出来る。講演で数字を使って具体的に説明したいと思う。
講演は2003年8月4日、13時30分より、東京神田駿河台の中央大学駿河台記念館で行うことになっている。2002年10月のゴルフ場の評価の方法を講演した同じ会場である。
主催者は(株)プログレスである。
定員数はあまり多くないが、未だ余裕はあると聞く。
講演内容に興味を持たれた方は下記に申込みされたい。
ホームページ http://www.progres-net.co.jp/
もしくは、п@03−3341−6573
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