○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
2015年(平成27年)最初の鑑定コラムです。
2014年の暮れも押し詰まり、依頼者先企業に不動産鑑定評価の成果品を届け、1年間の仕事納めとした。
あとの仕事は、来年まわしだと勝手に打ち切り、東京駅近くまで来たこともあり、八重洲ブックセンターに立ち寄った。
平積みの売場に白い部厚い表紙の本が目についた。翻訳本である。
正月の間に読んで見ようかと思い購入した。
トマ・ピケティ著の『21世紀の資本』という本である。
みすず書房発行で、訳者は山形浩生他2名である。
金額は安くない。税込みで5,940円(5,500円+税440円)である。
本文608頁の頁数である。
1頁1,040字として、
1,040字×608=632,320字
63万余字の大著である。
読み応えのありそうな書物だ。
難解で途中で投げ出すかもしれない。
不平等は何故発生するのか。
本の帯には、「r>g」の記号が書かれている。
「r」は、資本の平均年間収益率を示す。
それは、利潤、配当、利子、賃料などの資本からの収入を、その資本の総額で割ったものである。
不動産鑑定で使用する還元利回りに相当するものと思えばよいか。
「g」は、経済の成長率を指す。それは、所得や産出の年間増加率を言う。
GDPの成長率ということか。
資本収益率が、経済成長率を超え続けると、資本主義は自動的に格差を生み出すというようである。
即ち著しい不平等が生じるという。
そのことについて、著者のトマ・ピケティは、西暦1700年頃からの多くの統計データを使用し、果ては英仏の文豪が小説の中に書き残した記述をも文献にして、証明しょうとしている。
つまり、『21世紀の資本』という本は、「r>g」を証明するための本ということか。
トマ・ピケティは、不平等の発生をデータ数字で証明した。実証した。
このトマ・ピケティ著の『21世紀の資本』という本は、サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』に匹敵する書物か。
2015年1月2日(10:48)の時事通信パリ発は、AFPの記事を伝える。
それは、フランスの経済学者トマ・ピケティ氏に、フランス政府がレジオン・ドヌール勲章シュバリエの授与を決めたことに対して、その勲章を拒否したと言うニュースである。
その拒否の理由が振るっている。
「誰が名誉ある人物かを決めるのは政府の役割ではない。政府は、フランスや欧州の成長回復に注力すべきだ。」
と。
硬骨漢ぶりが又良い。
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ