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1324)クジラ買?、クジラ警報? 土佐の沖にクジラが集まり暴れているのか?

 「クジラ買」、「クジラ警報」という文字が、2015年3月12日の新聞に、潮吹くように踊った。

 土佐の沖合にクジラの大群が押し寄せ、暴れ、漁船が襲われて沈没するのが続くので、警戒警報が発令されたのか。

 そうであったら大変だ。クジラもそんな悪さをするのか。

 私は、新聞の「クジラ買」、「クジラ警報」という文字を見た時、そう思った。

 その文字が躍っていた新聞は、日本経済新聞であった。

 記事内容を見たら、土佐沖にクジラが押し寄せて来て、悪さをしているというものでは無かった。

 日本経済新聞の「スクランブル」というコラムで、同社の川崎健記者が署名入りで記事を書いており、そのキャッチコピーであった。

 2つの言葉は、最近証券業界で使われ出した用語という。

 では「クジラ買」とは何か。

 築地市場で、どこかの上場飲食会社、あるいは上場スーパーがクジラ肉を買いまくっていることなのか。

 そうでは無い。

 クジラは図体がでかい。そして生きて行くために海で桁違いに多くの餌を食べ、与える影響は大きい。

 こうしたクジラの存在によく似ているものとして、株式市場に「公的マネー」と呼ばれる投資家が存在している。
 この投資家の「公的マネー」をクジラと呼んでいるという。

 クジラ買とは、「公的マネー」が株式を買いまくっているということを指す。

 クジラのごとく大きく、株式市場に強い影響を与える故に、証券業界で「クジラ」と呼ばれ、そう呼ばれる公的マネーは、下記の五つである。

      @ GPIP(年金積立金管理運用独立行政法人)
      A 3共済
      B かんぽ生命保険
      C ゆうちょ銀行
      D 日銀

 3共済とは、KKRと呼ばれる国家公務員共済組合連合会、地共連と呼ばれる地方公務員共済組合連合会、私学共済と呼ばれる日本私立学校振興・共済事業団である。

 それらの監督管轄官庁は、順に財務省、総務省、文科省である。

 UBS証券によると、日銀を除く4つのクジラの資金は、455兆円であり、株式購入余力は24.2兆円という。

 「クジラ警報」とは何か。

 それは、5頭のクジラの投資運用先は、東証株価指数(TOPIX)連動の株式に向かうため、TOPIX構成銘柄の構成ウエイトと日々の株価動きを分析して、両者の相関係数を導き、傾向と投資銘柄を予想する。

 このデータ分析による予想を「クジラ警報」といい、銘柄の選択に活用しているという。

 生き馬の目を抜く証券業界である。
 生クジラの目をも抜こうとしている。

 次々と創造たくましく新しい金の動きを分析し、少しでも金儲けしょうとしている。

 証券市場には、「鯨幕相場(くじらまくそうば)」という言葉も前からあり、クジラとは無関係ではないようである。 

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