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1325)2014年の不動産業の倒産件数は319件

 企業倒産情報会社の帝国データバンクの「全国企業倒産集計」によれば、不動産業の2014年1月〜12月一年間の倒産(負債額1千万以上)の件数は、319件である。

 各月の件数を記すと、下記である。

                                     不動産業         全体

     平成26年(2014年)1月   33件 809件      平成26年(2014年)2月   24件 765件      平成26年(2014年)3月   23件 744件      平成26年(2014年)4月   23件 858件      平成26年(2014年)5月   19件 733件      平成26年(2014年)6月   27件 847件      平成26年(2014年)7月   26件 844件      平成26年(2014年)8月   26件 683件      平成26年(2014年)9月   33件 785件      平成26年(2014年)10月   38件 794件      平成26年(2014年)11月   24件 671件      平成26年(2014年)12月   23件 647件 計 319件 9180件

 不動産業倒産の月間平均は、
             319件÷12=26.58件≒27件
27件である。

 最も少ない件数は、2014年5月の19件である。

 月19件の倒産件数は、建設業、製造業、卸売業、小売業、運輸・通信業、サービス業、不動産業の7業種の中で、最も少ない件数である。

 不動産業は、業界全体としてみれば、好況の中にあると判断される。

 2014年の全体の倒産件数は、9180件である。

 全体に占める不動産業の割合は、

                        319
                   ─────  ≒ 0.035                            
            9180
  3.5%である。

 過去の倒産件数を、同じ帝国データバンクの「全国企業倒産集計」によれば、下記である。

 
          年          不動産業(月間平均)   全体       割合%

  2006年(平成18年)   368  (31)   9,351    3.9   2007年(平成19年)   375  (31)  10,959    3.4   2008年(平成20年)   429  (36)   12,681    3.4   2009年(平成21年)   488  (41)   13,306    3.7   2010年(平成22年)   353  (29)   11,658    3.0   2011年(平成23年)   336  (28)   11,369    3.0   2012年(平成24年)   348  (29)   11,129    3.1   2013年(平成25年)   300  (25)   10,332    2.9   2014年(平成26年)   319  (27)   9,180    3.5

 不動産業の倒産は、平成21年(2009年)が488件で最高である。

 不動産ファンドバブルは、平成19年(2007年)である。

 バブルはじけて2年後に、不動産業の倒産件数が最高を記録した。

 即ち、「バブル崩壊2年後に不動産業倒産は最高になる」と云えそうである。

 現在は、リートバブルの頂上にあるか、頂上を越えているかもしれない。
 リートバブルはいつまでも続く訳では無い。
 いずれバブルははじける。

 2014年の不動産業は、2013年に比較して19件倒産件数が増えた。
 全体の倒産件数に占める不動産業の倒産件数割合も、2.9%から3.5%に上昇した。
 じわりと不動産業の倒産が増える兆候が伺える。

 全産業の2014年一年間の月別件数は、前記した。

 月間の平均倒産件数は、

          9,180件÷12=765件
である。

 企業の倒産は、毎月同じ件数だけ均等に倒産している訳ではない。
 月によって倒産件数が異なっている。

 これは、季節という要因も倒産に何らかの影響を与えていると思われる。
 それが何だといわれても、私にははっきりと分からないが。

 月間平均倒産件数に対する各月の件数比を見てみる。
 月間平均倒産件数を1.0とする。
 各月の件数比は、下記である。

            1月    1.06
            2月    1.00
            3月    0.97
            4月    1.12
            5月    0.96
            6月    1.11
            7月    1.10
            8月    0.89
            9月    1.03
            10月    1.04
            11月    0.88
            12月    0.85
 2月が平均件数である。
 1月は、平均より6%アップの件数である。

 3月は、年度末ということもあり、金融機関のつなぎ融資があって倒産を免れ、平均を下回る。

 しかし4月は、やりくりして3月決算を乗り越えたが、やはり経営は困難な状態であって倒産が10%超増える。1年間で一番倒産の多い月である。

 6月、7月は、4月に続いて倒産が多い月である。平均を10%超える。

 8月、11月、12月は倒産が多くない。

 倒産の季節変動を知れば、1ヶ月の倒産件数を知る事によって、今年の倒産はどれ程かを推定できる。

 それによって現在の、そして今年の景気が良いのか悪いのか判断出来る。


  鑑定コラム1206)
「バブル崩壊2年後に不動産業倒産の最高が来る」


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