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1431) 笑は竹冠に夭ではないか

 2016年1月5日のテレビニュースを見ていた。

 そのテレビニュースに、新年にあたって今年の言葉を著名な参加者の幾人かに色紙に書いてもらい、その説明の映像が流れた。

 一つの色紙に書かれた熟語を、私は読むことが出来なかった。

 書いた本人は「えがお」と云う言葉で、今年の抱負を語った。

 私はその文字を見た時、どう読むか分からず、一瞬自分が耄碌(もうろく)してしまったのかと錯覚に陥った。

 テレビの映像の文字を見ながら、指で自分も書いたが、映像の字と違う字を書いてしまう。

 「おかしいな。
 私の漢字の記憶も薄らいで来たのだろうか。
 耄碌して来たのだろうか。」

と自分自身を疑う羽目に陥った。

 短いニュース番組であったから、ニュース終了後、書斎に戻り、漢和辞典で調べて見た。

 テレビ映像に流れていた漢字は、やはり違っていた。確認して、私は安堵した。

 テレビ映像に流れた漢字は、「笑顔」という文字のつもりで書いたであろうと思われるが、「笑」が竹冠(たけかんむり)まではあっているが、下の「夭(よう)」が、若いを意味する夭の字ではなかった。「升」の字に良く似た字であった。

 それ故、私は読めなかった。

 「竹冠に升に良く似た字」の文字と「顔」と書かれた熟語を「えがお」とは、私には読めなかった。


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