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名目GDPのマイナス成長が予測される中で、2002年末と2003年末の1年間で上昇した商品、下落した商品を各50位まで、日本経済新聞社が調査発表している。(日経2004年1月3日)
上昇ベスト3は、
1位 もち米 上昇率 135.7
2位 コバルト 〃 110.5
3位 段ボール古紙 〃 87.5
である。
後年での比較のことも考え、もち米60kgの2003年末の価格を記すと、35,000円である。
下落率ワースト3は、
1位 鶏卵 下落率 27.9
2位 パラジウム 〃 23.8
3位 灯油 〃 17.1
である。
鶏卵1kgの2003年末の価格は155円である。
建築関係での商品の上、下落の主なものは、次の通りである。
(上昇の商品)
H形鋼 上昇率 26.9
異形棒鋼 〃 23.0
軽量C形鋼 〃 17.8
くぎ 〃 12.1
H形鋼の価格は、200×100ミリの商品1トンで、2003年末は49,500円である。
チャンネル(軽量C形鋼)は、2.3×100×50×20ミリの商品1トンで、2003年末は59,500円である。
(下落の商品)
南洋材丸太 下落率 4.8
ヒノキ正角 〃 3.1
米松平角 〃 2.3
杉小巾板 〃 2.3
ヒノキ正角(特等)の1立方メートルの、2003年末の価格は62,000円である。
具体的に、その影響が建築費にあらわれているか、建築工事費で見ると、次のごとくである。
2002年11月 2003年11月
木造 平方メートル当り 152,400円 151,800円
SRC造 平方メートル当り 200,900円 184,400円
RC造 平方メートル当り 179,100円 185,900円
鉄 造 平方メートル当り 127,100円 132,900円
(『建設統計月報』2004年1月号、(財)建設物価調査会)
SRC造には、未だ影響は顕れていない。
SRC造の建物の工期が長いことに原因していることも関係しているかもしれない。
しかし他の建築物の工事費には、確実に価格影響していることが、上記数値よりわかる。
一方、生コンクリートが、2004年春頃より値上げされるとささやかれている。
新日鉄も、旧日本鋼管も原材料の上昇を理由に、H形鋼の卸値を値上げするといっている。
これらメーカーの動き、発言から推測すると、SRC造の建築費下落は下げ止まるかもしれない。
木造建物は価格下落している。南洋材の丸太も少し値下がりしている。
しかし合板メーカーは、インドネシアの原木丸太伐採禁止政策の影響を受けて、合板の値上げをほのめかしている。
南洋材の入荷量を農林水産省の発表でみると、次のごとくである。(単位千立方メートル)
平成11年 4,330
12年 4,007
13年 2,881
14年 2,802
15年の1月〜10月までの入荷量は、2,097千立方メートルである。
1ヶ月平均209.7千立方メートルである。
11月、12月の2ヶ月分を、
209.7×2=419.4≒420
とすると、15年の入荷量は、
2,097+420=2,517千立方メートル
となる。
14年の入荷量より大巾な減少である。
木造建築の減少という不動産不況を考えて割引いて考えても、平成11年の入荷量と較べれば、40%減の量である。著しすぎる入荷減少量である。
これだけの減少が続けば、合板メーカーが値上げをほのめかすのは、当然の経済行為と思われる。
木造家屋の建築費の下落傾向も、今年で止まるかもしれない。
日経は、前記記事の中で、
「2004年の商品市況は上昇余地を探る展開」
と、経済記者特有の持って回った言い方の慣用句で述べる。
バブル経済崩壊後14年たって、やっとデフレ脱出のきざしが、民間の各製造企業に広がり出したということか。
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