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1530)水谷隼の卓球が面白い

 2016年8月5日(現地時間)から始まったブラジルのリオ・デ・ジャネイロのオリンピックも、そろそろ終わりに近づいてきた。

 2016年7月末の都知事選挙によって都知事になった小池百合子新知事が、次回開催地である東京の行政庁の長として、開催市が掲げるオリンピック旗を受け継ぐためにリオに向かった。

 本来は東京市長が、次回開催のオリンピック旗を受け取るべきであるが、東京には東京市が無く、知事が東京市である23区を直轄しているため、知事がリオに行ったのである。

 東京は、知事が市長を兼務しているといういびつな行政組織である。

 大阪の方で、東京のやり方に憧れている人がいるようであるが、東京23区は東京市であるべきで、知事直轄の23区行政は、行政制度としてはいびつであり、東京の西の郊外の市に住んでいる私は賛成しかねる行政組織制度である。

 行政組織論は、ここまでとして、リオでくり広げられているオリンピックのテレビ映像を見ていて、面白いと思った競技を一つ記す。

 ピンポンと呼ばれる卓球の水谷隼(じゅん)の試合は、見ていて楽しかった。

 これぞ卓球という感動を味わった。

 卓球というと、小さい卓球台のネットの両側を、前のめりして、ネット際で小さく球をやりとりして、ネットに球が引っかかって勝敗を決める競技と思いがちである。

 水谷の卓球はそうでは無い。

 卓球台より2m位離れて、フォアハンドで全力で相手側の陣地に打ち込む強打(スマッシュ)の応酬の卓球である。

 準決勝で、世界のランキング1位であり、かつ中国の第一人者の馬龍との試合は、甚だ面白かった。勝敗を決するまでに、5ゲームまでもつれ込んだ。

 フォアハンドによる強烈なスマッシュのラリーが10回以上続くゲームが、度々行われた。

 選手が全力を出してフォアハンドでピンポン球を打ち、それを相手が同じ様にフォアハンドで強烈に打ち返してくる。そのラリーの応酬が10回程度も続けば、見ている人も興奮して来て、どちらがミスするかそれを見極めたくなる。

 双方譲らず、スピード感あふれるラリーが続けば、続くほど見ていて面白くなり、拍手をしたくなる。当事者の選手は大変疲れるであろうが。

 リオの会場では、二人のこのゲームを観ていた観衆から、自然に大きな拍手が湧き上がってきた。

 水谷のゲームを観て、卓球の醍醐味を味わった。こうした卓球のゲームを観れば、卓球というスポーツも面白いスポーツという認識が湧いてくる。

 良いゲームを観たと、馬、水谷の名前が強烈に頭にインプットされてくる。

 水谷は準決勝で馬に負けたが、3位決定戦で勝ち、日本人初めてのオリンピック銅メダルを獲得した。

 卓球団体戦(水谷隼、吉村真晴、丹羽孝希)は、水谷の働きにより、これまた日本人初めての銀メダルを獲得した。

 水谷は、前回のロンドン大会で、中国選手との対戦で屈辱を味わい、ドイツのプロリーグに入り、技と体力、そして精神力を鍛えた。

 その努力の効果が、リオの大会に花開いたと思われる。4年前は、歯が立たなかった世界ランキング3位の中国選手を打ち破っている。

 水谷の卓球の面白さに比し、全く面白く無かったのが、柔道の最重量級の試合であった。

 日本の原沢とフランスの選手の決勝戦の戦いであった。

 互いに襟の取り合いと切り合いである。5分間こんなカマキリの喧嘩の状況を見せられていては、全く面白くない。

 技の掛け合いは全く無く、襟の取り合いと逃げ回る状況が続き、指導や注意で決着がつく柔道など見たくもない。

 柔道とは何か。

 技で相手を畳の上に叩きつけるスポーツではないのか。

 襟の取り合いと逃げ回るのが柔道なのか。決勝戦は時間無制限技あり一本で勝敗を決めるべきものでは無かろうか。

 柔道の稽古として、カマキリの喧嘩の柔道しか稽古していないのか。

 カマキリの喧嘩の柔道ならば、柔道着など着てする必要は無かろう。Tシャツでやればよかろう。

 襟に何故こだわる。

 相撲のすくい投げのごとく、襟をつかまなくとも相手を倒す技はあろう。
 研究し、そうした技を開発し身につけょ。
 
 本コラムを書いている最中、男子400mリレー決勝が始まるというので、テレビの前に座り、競走を見た。

 2016年8月20日土曜日日本時間午前10時45分頃、陸上男子400mリレーで、日本チームは2着に入った。銀メダルである。

 一走山縣亮太 二走飯塚翔大、三走桐生祥秀、アンカー ケンブリッジ飛鳥へとバトンが繋がり、順位2着で走り終えた。3位アメリカとは胸の差僅かで、写真判定というものであった。タイムは37秒60であった。3位のアメリカは、何の違反があったのか知らぬが、その後失格となった。

 桐生選手は、100m競走は予選落ちで振るわなく、「自分は速くないんだ。」と云って落ち込んでいる様なことを新聞は伝え、心配していたが、400mリレーでは力走してくれた。100m競走2位のガトリンのいるアメリカチームに競走して勝ったのである。これで自信を取り戻して欲しい。

 1着金メダルは、アンカーに世界最速の男で100m競走1位のボルトを配したジャマイカであった。タイムは37秒27である。


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