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1531)熊本地震後、長洲町の家賃の値上りが激しい

 熊本地震は、平成28年4月14日、4月16日に発生した。

 その熊本地震が、熊本県内の家賃にどの様な影響を与えたか分析してみた。

 2DK(40u)の平成27年(2015年)4月と平成28年(2016年)4月末の家賃で見較べて見る。
 
 採用データは、全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」というホームページ発表の「賃料相場」データによる。

 分析結果は、下記である。単位はu当り円である。


地域 2015年4月 2016年4月 増減率%
熊本市中央区 1125 1083 ▲3.7
熊本市東区 1170 1030 ▲12.0
熊本市西区 953 920 ▲3.5
熊本市南区 975 943 ▲3.3
熊本市北区 1128 990 ▲12.2
八代市 1105 983 ▲11.0
人吉市 1135 1125 ▲0.9
荒尾市 1070 1010 ▲5.6
玉名市 950 988 4
山鹿市 1175 1175 0
天草市 973 920 ▲5.4
南関町 900 925 2.8
長洲町 850 1125 32.4
大津町 1000 1000 0
錦町 700 700 0


 熊本地震の影響で、熊本県の各市区町の賃料は、殆どが影響を受けて下落している。

 大きな影響を受けたのは、

      熊本市東区    ▲12.0%
      熊本市北区    ▲12.2%
            八代市            ▲11.0%

である。他は0〜▲5%程度である。

 多くの市区町が家賃下落しているが、家賃が値上りしている市町がある。

      長洲町      +32.4%
      玉名市             +4.0%
            南関町        +2.8%

である。

 長洲町は32.4%の値上りである。

 2DKの月額家賃が、平成27年4月は34,000円であったが、平成28年4月末では45,000円になっている。

 これは何が原因であろうか。

 地震被害者が、仮住居を求めた結果であろうか。熊本市から距離も離れており、それはあるだろうか。単なる需給事情によるものとしては、値上り率が激しすぎる。それとも、長洲町の家賃の激しい家賃の値上りは、熊本地震とは全く無関係なものによるのであろうか。私には家賃値上りの原因が分からない。

 28年4月のデータの間違いかなと思い、28年7月のデータで見ると、44,500円である。

 データの間違いではなさそうだ。

 もう1つ熊本地震後の特異な賃料現象がある。

 それは、熊本市東区に起きている。

 熊本市東区の平成28年4月の賃料は、月額41,200円(u当り1,030円)であるが、3ヶ月後の平成28年7月の賃料は、月額65,000円(u当り1,625円)と、大幅な上昇を示している。

 熊本市東区の家賃は、4月に熊本地震で一旦下がるが、3ヶ月後には猛烈に値上りした。これは熊本地震被害者が住む家を無くし、仮住居需要が増えて家賃の高騰を招いたということであろうか。

 その家賃推移をまとめると、下記である。単位はu当り円である。


地域 2015年4月 2016年4月 2016年7月
熊本市中央区 1125 1083 1040
熊本市東区 1170 1030 1625
熊本市北区 1128 990 1008
長洲町 850 1125 1113


  鑑定コラム1529)
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