○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1529)南小国 別府の旅館ホテルは相当痛めつけられているようだ

 約4ヶ月前の2016年4月14日、16日に熊本地震が発生した。

 熊本地震は、熊本市の東隣の益城町の地下を震源とした地震であるが、その地震を引き起こした地下の断層が東の別府市の方向に伸びているため、別府市にも地震の影響が出た。

 熊本県の熊本市と南小国町、大分県の大分市と別府市の宿泊施設(従業員10人以上)が、熊本地震の影響をどれ程受けているのか客室稼働率を調べて見た。

 データは、観光庁発表の市町村別客室稼働率による。

 観光庁が発表する熊本県内の客室稼働率で、毎月発表されているのは、熊本市と南小国町だけである。

 人吉市、天草市、上天草市、阿蘇市、山鹿市、南阿蘇村もデータを発表しているが、サボっているのかどうした理由か知らないが、毎月の客室稼働率は発表されていない。3ヶ月とか2ヶ月とかの時々の客室稼働率の発表である。

 それ故、毎月発表している熊本市と南小国町の2地域の分析とする。
 
 大分県の大分市、別府市は、幸いにも毎月データを発表していることから、2市を取り上げる。データ一覧は下記である。単位は%。


  2016年1月 2016年2月 2016年3月 2016年4月 2016年5月
熊本市 66.6 72.9 79.0 49.2 69.6
南小国町 65.4 73.7 81.4 45.8 -
大分市 68.5 74.3 76.7 57.7 67.8
別府市 57.1 65.5 71.2 43.6 36.4
           
  2015年1月 2015年2月 2015年3月 2015年4月 2015年5月
熊本市 33.3 37.1 53.0 66.3 70.5
南小国町 42.1 48.6 52.0 70.0 81.2
大分市 70.4 80.2 80.1 76.6 63.4
別府市 55.3 60.2 66.5 59.3 63.4


 熊本地震が発生した2016年4月の客室稼働率と、前年同月(2015年4月)の客室稼働率を対比すると、下記である。

                    2015年4月               2016年4月      ダウン率

熊本市 66.3 → 49.2 ▲25.8 南小国町 70.0 → 45.8 ▲34.6 大分市 76.6 → 57.7 ▲24.7 別府市 59.3 → 43.6 ▲26.5

 4市町の熊本地震による宿泊施設の客室稼働率の影響は、前年同月比で、▲24%〜34%である。その中で最も大きい影響を受けているのは南小国町である。そして別府市である。

 南小国町は、毎月発表していた客室稼働率を2016年5月は発表しなかった。

 データの調査、時間が、地震復興対策等に人手を取られて出来なかったということであろうか。相当大きな影響を受けていると推測される。

 別府市は、2016年5月の前年同月比が、▲42.6%であるから、4月よりも影響が大きくなっている。

 熊本市、大分市の両市は、 地震の影響は、客室稼働率の上では徐々に薄められつつある。
 熊本市の場合は、地震災害復興の工事関係者の宿泊が増えていることも関係しているかもしれない。


  鑑定コラム1401)
「南小国町はどこにある」

  鑑定コラム1473)「宇土市庁舎が半壊 熊本地震」

  鑑定コラム1531)「熊本地震後、長洲町の家賃の値上りが激しい」

  鑑定コラム1561)「熊本市家賃震災6ヶ月後14%アップ」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ