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1592)2016年末ドカーンと負債465億円の不動産会社倒産

 倒産情報会社の帝国データバンクが、2016年12月15日に、広島の総合デベロッパーのアイエス株式会社が、負債465億円を抱えて倒産したと報じる。

 2016年の年末に、2016年の1年間で2番目に大きい負債額の倒産が不動産業で発生した。

 昨年の2016年1月、2月と不動産業の倒産が、対前年同月比で増えだしたことから、昨年の3月に鑑定コラム1461)「少し不動産業がおかしいぞ」の記事を書いた。

 その後、倒産件数は一休み状況であった。

 2016年8月以降対前年同月比で、不動産業の倒産件数が増えだしたので、心配していた。

 2016年11月、12月には、不動産業の倒産は大幅に減り、年間を通しての倒産件数は261件となり、2015年の270件を下回った。

 しかし、年末に2016年倒産負債額2番目という大型倒産が、不動産業で発生した。

 前記総合デベロッパーのアイエス株式会社は、長年の負債の債務返済に耐えきれず、ついに12月に倒産した。

 帝国データバンクの調査発表によれば、2015年、2016年各月の負債1千万円以上の不動産業の倒産件数は、下記である。


  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 20 15 29 28 26 18 25 15 16 23 25 30 270
2016年 25 20 20 29 16 22 23 20 22 27 17 20 261


 前記した鑑定コラム1461)は、2016年3月10日発表の記事である。約10ヶ月前に発表した記事である。

 そのコラム記事が、発表後7ヶ月経った去年の10月の中半頃より、多くの訪問者を集めるようになった。

 何故かは私には分からない。

 不動産業者の倒産を身近に感じる人が多くなって、興味を持って訪問する人が増えだしたのであろうか。

 不動産業の過去の年間倒産件数は、下記である。

     2013年   300件
     2014年   319件
     2015年   270件
     2016年   261件

 不動産業の倒産件数は、年々減っている。しかし、少ないからと軽んじていると、前記したごとく、年末にドカーンと負債500億円弱の不動産会社の大型倒産が発生する。

 油断せずに、余り欲張らず、健全な企業経営を。

 なお帝国データバンクによれば、2016年の年間負債総額1位で倒産した企業は、パナソニックプラズマディスプレイ(株)で、負債額5000億円であった。

 2位は前記したアイエス(株)、3位は負債額260億円の公益財団法人山梨県林業公社である。


  鑑定コラム1461)
「少し不動産業がおかしいぞ」

  鑑定コラム1456)「平成28年1月不動産業の倒産が増えた」


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