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1461) 少し不動産業がおかしいぞ

 私が不動産鑑定業を開業して間もない頃、ある弁護士が私に云った言葉が、今でも私の脳裏にはっきりと残っている。

 「弁護士は、日本経済の回転の落ちこぼれで生きているのだょ。
 日本経済の回転が止まったら、落ちこぼれが無くなり弁護士業は干上がってしまうょ。」

 そのたとえ話を聞いた時、私は自分の職業である不動産鑑定業も不動産経済の回転の落ちこぼれで生きている職業では無いのかと感じた。

 そういうこともあり、不動産経済の景気動向等が私には気になる。 不動産経済を担う不動産業の動向が気になる。

 不動産業の倒産が増加し始めたことについて、最近2つの鑑定コラムを記した。

 下記の2つである。

  鑑定コラム1456)「平成28年1月不動産業の倒産が増えた」
  鑑定コラム1438)「不動産業の倒産が増えだした」

 2つの記事を書いたにもかかわらず、なおもう1つの記事を書かざるを得ない状況になった。

 帝国データバンクが、2016年2月の倒産統計を発表した。

 それに依れば、2016年2月の不動産業の倒産は20件で、前年同月比33.3%アップである。

                      20    
                 ──── = 1.333                                 
                      15

 件数では前年同月比5件のアップであるが、率では33.3%という大幅なアップ率である。

 2016年1月は25.0%のアップ率で、2月は33.3%のアップ率である。異常なアップ率が続く。

 帝国データバンクは、北海道札幌の生活協同組合コープさっぽろの関連不動産会社のコープ協同開発株式会社など3社が、2016年2月26日に負債271億円で倒産したと報じる。

 負債は、親会社の生活協同組合コープさっぽろが負担すると云うようである。

 負債271億円は巨額である。
 2015年の暮れ、12月10日に、北海道札幌の株式会社大通りエステートが、負債38億円を抱えて破産した。

 これに次ぐ大型倒産が札幌で発生した。またも札幌かという印象である。

 札幌の不動産状況は相当悪そうだ。

 国内銀行の不動産業への新規貸出額が10兆円を超え、全産業の新規貸出額の24.3%を占めるという異常な融資状況が続いている。不動産業にジャブジャブと金が流れ込んでいる。

 銀座の土地が坪当り2億円で取引されている。

 そうした好景気が伺える不動産業の状態がある一方で、不動産業の倒産が急激に増加している。

 少し不動産業はおかしいぞ。


  鑑定コラム1456)
「平成28年1月不動産業の倒産が増えた」

  鑑定コラム1438)「不動産業の倒産が増えだした」

  鑑定コラム1460)「銀座の土地が坪2億円で取引された」

  鑑定コラム1592)「2016年末ドカーンと負債465億円の不動産会社倒産」


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