○鑑定コラム
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2017年(平成29年)3月21日に、国土交通省が、平成29年1月1日時点の土地価格を発表した。毎年公表される地価公示価格である。
東京の商業地価の最高価格は、中央区銀座4丁目の山野楽器の土地(銀座4丁目5番6号 住居表示)で、u当り5050万円である。
坪当り換算では、
5050万円×3.30578=1億6694億円≒1億6700万円
1億6700万円である。
去年(2016年)は、u当り4010万円であった。
1年間の上昇率は、
5050÷4010=1.259
25.9%である。
山野楽器の売上高或いはその土地上に建つビルの賃料が25.9%上昇しているのであれば、土地の値上りも納得出来るであろうが、そうではないであろう。
地価公示価格が上がることによって、土地の固定資産税は確実に上がることになる。
固定資産税の上昇は、貸ビル業者にとって経営を圧迫することになる。
ある程度の固定資産税の値上がりは、仕方ないが、土地価格の上昇に無定見に連動する固定資産税の値上げはやるべきではない。
腹に据えかねた固定資産税の上昇に出会ったので、そのことについて鑑定コラムを書いた。それが鑑定コラム1612)で、「バブル地価に無定見に連動する固定資産税」である。
去年も大幅に地価上昇している。そして今年も25%の上昇である。
固定資産税が、その様に値上がりしたら、家賃値上げで固定資産税の増加分を吸収することは困難である。
いずれ鑑定コラム1612)に書いた危惧する事態が生じるかもしれない。
生じたその時は、その固定資産税の標準宅地の評価書が、裁判所に提出され、土地所有者側の代理人弁護士から徹底的に叩かれることになろう。
課税側は、不動産鑑定士に頼んで鑑定してもらい、それが正しいと判断して課税しているのであって、課税側の役所には手続等の不当性は無いと答弁する。
そうすると不動産鑑定士に批判が向けられてくることになる。さてそうなった時、どうする。
そうならないことを望む。
23区の土地建物の固定資産税・都市計画税は、東京都の直轄である。
東京都29年度予算のうち23区の固定資産税・都市計画税は、1兆4212億円である。
東京都29年度一般会計予算は、6兆9540億円である。
一般会計予算に占める固定資産税・都市計画税の占める割合は、
1兆4212億円
──────── = 0.204
6兆9540億円
20.4%である。
予算の2割を占める1.4兆円が、毎年、都に入るのである。税収の少ない地方行政体にとっては、うらやましすぎる税収である。
地価の上昇、建物の高層化によって、東京都の固定資産税・都市計画税の税収は増加している。
その状況を平成25年度から29年度の予算で見れば、下記である。単位百万円。
|
固定資産税
|
都市計画税
|
合計
|
一般会計予算
|
割合
|
25年度
|
1125382
|
217385
|
1342767
|
6246000
|
0.215
|
26年度
|
1143414
|
220628
|
1364042
|
6666700
|
0.205
|
27年度
|
1157860
|
222637
|
1380497
|
6952000
|
0.199
|
28年度
|
1178928
|
227507
|
1406435
|
7011000
|
0.201
|
29年度
|
1190813
|
230440
|
1421253
|
6954000
|
0.204
|
平成25年度に1兆3427億円であった固定資産税・都市計画税の税収が、平成29年度には1兆4212億円である。
1兆4212億円−1兆3427億円 = 785億円
4年間で、785億円の税収である。
どこかの1つの市の一般会計予算に匹敵する金額である。
鑑定コラム1612)「バブル地価に無定見に連動する固定資産税」
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