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1656)相当地代6%

 現在地上権の価格の評価をしている。

 地上権価格算出に、相当地代6%の規定を参考にしたことから、相当地代6%について述べる。

 法人が、借地権(地上権を含む)の設定により他人に土地を使用させる場合、或いは他人の土地を使用する場合、権利金を授受する慣行があるにもかかわらず権利金を授受受しないときには、権利金の認定課税が行われる。

 しかし、権利金の授受に代えて相当の地代を授受しているときは、権利金の認定課税は行われない。

 この場合の相当の地代の額は、その土地の更地価額の年6%の金額である。

 この根拠規定は、平成元年3月30日に出された『法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて』という通達によるものである。

 平成元年以前は、6%でなく8%であった。

 この相当地代に関する法令等について、どういう内容のものが通達、法令であるのか、下記に記す。

 まず「法令137」と呼ばれる法人税法施行令137条である。

 それは、下記である。

第一三七条 借地権(地上権又は土地の賃借権をいう。以下この条において同じ。)若しくは地役権の設定により土地を使用させ、又は借地権の転貸その他他人に借地権に係る土地を使用させる行為をした内国法人については、その使用の対価として通常権利金その他の一時金(以下この条において「権利金」という。)を収受する取引上の憤行がある場合においても、当該権利金の収受に代え、当該土地(借地権者にあつては、借地権。以下この条において同じ。)の価額(通常収受すべき権利金に満たない金額を権利金として収受している場合には、当該土地の価額からその収受した金額を控除した金額)に照らし当該使用の対価として相当の地代を収受しているときは、当該土地の使用に係る取引は正常な取引条件でされたものとして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算するものとする。

 次に「法基通13−1−2」と呼ばれる法人税法基本通達である。

13−1−2 法人が借地権の設定等(借地権又は地役権の設定により土地を使用させ、又は借地権の転貸その他他人に借地権に係る土地を使用させる行為をいう。以下この章において同じ。)により他人に土地を使用させた場合において、これにより収受する地代の額が当該土地の更地価額(権利金を収受しているとき又は特別の経済的な利益の額があるときは、これらの金額を控除した金額)に対しておおむね年8%程度のものであるときは、その地代は令第137条《土地の使用に伴う対価についての所得の計算》に規定する相当の地代に該当するものとする。(昭55年直法2−15「三十一」、平3年課法2−4「十一」、平19年課法2−3「三十七」、平23年課法2−17「二十七」により改正)

(注)
1 「土地の更地価額」は、その借地権の設定等の時における当該土地の更地としての通常の取引価額をいうのであるが、この取扱いの適用上は、課税上弊害がない限り、当該土地につきその近傍類地の公示価格等(地価公示法第8条《不動産鑑定士の土地についての鑑定評価の準則》に規定する公示価格又は国土利用計画法施行令第9条第1項《基準地の標準価格》に規定する標準価格をいう。)から合理的に算定した価額又は昭和39年4月25日付直資56直審(資)17「財産評価基本通達」第2章《土地及び土地の上に存する権利》の例により計算した価額によることができるものとする。この場合において、本文の括弧書により土地の更地価額から控除すべき金額があるときは、当該金額は、次の算式により計算した金額によるものとする。
その権利金又は特別の経済的な利益の額×(当該算定し、又は計算した価額÷当該土地の更地としての通常の取引価額)

2 借地権の転貸の場合には、「土地の更地価額」とあるのは「借地権の価額」と、「当該土地の更地としての通常の取引価額」とあるのは「当該借地権の通常の取引価額」と、それぞれ読み替えるものとする。

 次いで「平元直法2−2」と呼ばれる個別通達である。下記である。これが頭書に記した6%の根拠規定のものである。

 (平成元年3月30日)(平成3年12月25日付改正分まで更新) 法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて

平成元年3月30日直法2-2
平成3年12月25日課法2-4(例規)により改正

 標題のことについては、当分の間、下記によることとしたから、今後処理するものからこれによられたい。

(趣旨)
 最近における地価の異常な高騰にかんがみ、借地権課税における相当の地代について、その実情に即した取扱いを定めるものである。

             



 法人税基本通達13-1-2((使用の対価としての相当の地代))に定める「年8%」は「年6%」と、「昭和39年4月25日付直資56・直審(資)17『財産評価基本通達』第2章((土地及び土地の上に存する権利))の例により計算した価額」は「昭和39年4月25日付直資56・直審(資)17『財産評価基本通達』第2章((土地及び土地の上に存する権利))の例により計算した価額若しくは当該価額の過去3年間における平均額」とする。(平成3年課法2-4により改正)

(注) 「過去3年間」とは、借地権を設定し、又は地代を改訂する年以前3年間をいう。


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