とする。
ニ、事例と価格割合
収集した無接道画地の取引事例とその無接道画地が所在する場所に近くの道路に付設してある平成29年度の相続税路線価を調べる。
その路線価を0.8で除した価格を、当該無接道画地の更地価格とみなす。
更地価格に対する無接道画地の価格割合を、上記算式に当てはめて求める。
そうして求めた無接道画地と価格割合は、下記である。
a,国立市大字谷保字東之原 JR南武線谷保駅南東約400m
平成28年3月 99㎡
道 路 巾員1.2m
用途地域 1低専 80/40
取引価格 ㎡当り 76,000円
近くの相続税路線価 ㎡当り 175,000円
更地価格 175,000円÷0.8≒219,000円
76,000円
価格割合 ───── ≒ 0.35
219,000円
b,府中市分梅町1丁目 京王線分倍河原駅南西約300m
平成29年2月 346㎡
道 路 無
用途地域 1低専 100/50
取引価格 ㎡当り 78,000円
近くの相続税路線価 ㎡当り 260,000円
更地価格 260,000円÷0.8≒325,000円
78,000円
価格割合 ───── = 0.24
325,000円
c,府中市西府町2丁目 JR南武線西府駅北西約600m
平成28年1月 500㎡
道 路 無
用途地域 1中専 200/60
取引価格 ㎡当り 100,000円
近くの相続税路線価 ㎡当り 205,000円
更地価格 205,000円÷0.8≒256,000円
100,000円
価格割合 ───── = 0.39
256,000円
d,府中市片町2丁目 京王線分倍河原駅東方約300m
平成26年10月 104㎡
道 路 無
用途地域 1中専 200/60
取引価格 ㎡当り 142,000円
近くの相続税路線価 ㎡当り 275,000円
更地価格 275,000円÷0.8≒344,000円
142,000円
価格割合 ───── = 0.41
344,000円
e,国分寺市東恋ヶ窪5丁目 西武国分寺線恋ヶ窪駅南東方約250m
平成29年3月 1424㎡
道 路 無
用途地域 1低専 80/40
取引価格 ㎡当り 80,700円
近くの相続税路線価 ㎡当り 190,000円
更地価格 190,000円÷0.8≒238,000円
80,700円
価格割合 ───── ≒ 0.34
238,000円
f,まとめ
上記価格割合をまとめると、下記である。
a, 0.35
b, 0.24
c, 0.39
d, 0.41
e, 0.34
平均 0.346≒0.35
ホ、無接道画地と接道宅地価格の価格割合
上記分析から無接道画地の取引事例とその近くの接道条件を満たしている宅地の更地価格との関係割合を見ると、
0.24~0.41
である。平均は0.346で、約35%である。
接道宅地価格に対する無接道画地の価格割合は、都下の国立、府中、国分寺の地域にあっては、35%程度と分析される。
更地価格の35%程度が無接道画地の市場価格ということである。
この割合は、上記地域の取引事例より求められた割合であって、この割合が日本全国に適用される割合とは、他の地域の割合を分析していないことから私にはわからない。
それぞれの地域には、又違った割合関係があるかもしれない。
それぞれの地域で、上記と同じ分析方法で分析してみれば、その地域の割合が分かるであろう。
上記35%の割合は、その地域が作っている市場を反映した価格割合である。
無接道画地の価格評価する時には、この割合を無視することは出来無いであろう。
それは、不動産鑑定基準は、不動産鑑定について次のごとく云っていることからである。
「不動産鑑定評価とは、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格」(平成26年改正鑑定基準国交省版P3)であると云う。
鑑定基準は市場性の価格反映について次のごとく云う。
「鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整等における各種判断において反映すべきである。」(平成26年改正鑑定基準国交省版P20)
鑑定評価の求める価格は、市場価値を表示する価格であると鑑定基準は云い、その市場性の要因は、価格の調整等において市場性を「反映すべき」と鑑定評価基準は云っている。
市場性の要因は、価格に反映させなければならないのである。
市場性を反映させるということは、それは不動産市場で売れる価格を求めよということである。
不動産鑑定評価基準は、売れる価格を求めよと云っているのである。
上記無接道画地の価格割合は、不動産市場で売買された価格であり、更地価格は、市場を充分反映している価格である。
上記で求められている無接道価格割合は、市場性を充分反映した価格割合であることから、この割合を更地価格に乗じて求めた価格は、他の手法で求めた無接道画地の価格の適正さを担保する価格になると云えるのではなかろうか。
鑑定コラム1883)