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1720) 借地権価格と地代(平成29年12月)

 土地価格の高い所の地代は高い。借地権価格も高い。

 とすると、借地権価格と地代とは相関関係があるのでは無かろうか。

 借地権価格と地代の関係を分析してみる。

 不動産情報会社のアットホームの取引事例登録データより、東京23区の平成29年1月〜12月までの地代事例を集めてみた。

 借地権の売買には、月額地代が必ず記載されていることから、借地権の取引事例、売物件の地代を集めた。

 東京23区の平成29年1月〜12月の1年間で、借地権の取引事例は、アットホーム扱いでは、わずか6件しか無かった。

 借地権の売物件は12件しか無かった。

 借地権の取引が、更地の取引に比較して如何に少ないかは、このデータ数を知れば分かろう。

 少ない18件のデータではあるが、データの分析は貴重である。

 分析の算式は、次の算式による。

    u当り借地権価格=借地権価格÷借地面積
    u当り地代=月額地代÷借地面積

    年間地代=u当り地代×12     地代割合(地代利回り)=年間u当り地代÷u当り借地権価格

 分析の平均等は、下記である。

      借地権価格    u当り391,917円
            月額地代          u当り    318円
            借地権価格に対する年間地代利回り 1.4%

 借地権価格割合を更地価格の60%とすると、更地価格に対する地代利回りは、

                  1.4%×0.6=0.0084
0.84%である。

 データの「取」は取引事例である。「売」は売物件である。

 公開年月は、売物件が公開された年月である。

 地番は省略している。


取・売 所在 借地権価格 万円 面積 u 取引・公開年月 u単価 円 月額地代 円 u地代円 年間地代 地代割合 用途地域
台東区竜泉3丁目 2500 93.69 2017年10月 266837 30300 323 3876 0.015 近商
台東区下谷2丁目 2800 70.37 2017年4月 397897 25548 363 4356 0.011 商業
墨田区吾妻橋2丁目 1680 49.5 2017年11月 339394 20130 407 4884 0.014 近商
目黒区中根1丁目 13800 288.87 2017年3月 477724 120380 417 5004 0.010 一低専
足立区大谷田1丁目 1462 158.34 2017年4月 92333 39220 248 2976 0.032 準工業
葛飾区堀切2丁目 350 41.85 2017年1月 83632 8222 196 2352 0.028 一住居
新宿区内藤1丁目 29113 582.25 2017年10月 500009 280000 481 5772 0.012 一住居
港区高輪3丁目 11000 66.12 2017年12月 1663642 46690 706 8472 0.005 商業
台東区西浅草1丁目 3650 48.85 2017年11月 747185 15666 321 3852 0.005 商業
墨田区吾妻橋2丁目 1680 49.5 2017年11月 339394 20130 407 4884 0.014 近商
大田区中央8丁目 3200 125.61 2017年11月 254757 17241 137 1644 0.006 一住居
渋谷区幡ヶ谷3丁目 4100 94.68 2017年11月 433038 26617 281 3372 0.008 一住居
荒川区荒川4丁目 2480 64.65 2017年10月 383604 11369 176 2112 0.006 準工業
足立区小台2丁目 1300 87.4 2017年12月 148741 18508 212 2544 0.017 準工業
葛飾区高砂5丁目 800 48.9 2017年12月 163599 8640 177 2124 0.013 一住居
葛飾区堀切2丁目 1680 92.4 2017年12月 181818 19810 214 2568 0.014 近商
葛飾区四つ木1丁目 1726 92.06 2017年12月 187486 37834 411 4932 0.026 商業
江戸川区平井1丁目 2800 131.2 2017年12月 213415 32000 244 2928 0.014 一住居
平均         381917   318   0.014  


 月額地代をY(円/u)、借地権価格をX(円/u) として、両者の関係を分析すると、

             Y=202.733+0.00030X
                相関係数 0.775
であった。

 データをグラフにしたのが、下記である。



29年借地権価格と地代

 上記分析した算式から、地代を求めると、下記である。

            借地権価格(円/u)             月額地代 (円/u)

200,000 263 400,000 323 600,000 383 800,000 443 1,000,000 503 1,500,000 653

 2年程前(2015年7月)に、同じ様に借地権価格と地代を分析している。その時は、住宅地の地代と商業地の地代と分けて分析している。

 今回は、住宅地、商業地の地代を一緒に分析した。2年前の地代水準と少し異なっている。住宅地の地代は高く、商業地の地代は安く算出されている。これはデータの関係、期間が2年経って地代・借地権価格が変動していることが原因していると思われる。


  鑑定コラム1365)「借地権価格と地代」


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