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1833)鑑定コラム1410)のアクセスが激しい

 およそ3年前の2015年11月18日に記事アップした鑑定コラム1410)「都の卸売市場の家賃はいくらか」の記事へのアクセスが甚だ多い。

 今月(2018年10月)に入って、10月1日から15日迄の15日間に1600件程度のアクセス件数である。

 それ以前のアクセスはほとんど無かった。

 鑑定コラム1410)のコラム記事が急増した理由は容易にわかる。

 今月9日に豊洲市場が開場したことによるものであると推測出来る。

 魚類を主とした卸市場が、築地市場から豊洲市場に移設した。

 豊洲市場への移転は約2年遅れた。

 魚の卸市場は、魚河岸の日本橋から築地に移り、そして今回は豊洲に移転した。

 魚の卸市場が築地から豊洲に移転したからといって、私が2015年11月18日に発表した鑑定コラム1410)の記事に、アクセスが急増するというのもおかしなものである。

 鑑定コラム1410)の記事内容は、築地市場の賃料について述べたものであり、移転した豊洲市場の賃料がどれ程かについて述べたものではない。

 アクセスした人々は、移転した豊洲市場の家賃はどれ程になったのであろうか、建物が新しくなったのであるから、築地市場の家賃と比較して、どれ程家賃は上がったのであろうかと興味を持ってアクセスされたものと思われる。

 鑑定コラム1410)で、築地市場の家賃について述べたことから、豊洲市場の家賃について述べなければ、片手落ちとなる。

 そうしたことから豊洲市場の家賃について述べる。

 結論から言えば、豊洲市場で新設された低温設備のある施設の家賃がu当り695円加算されるだけで、他の場所の家賃は、築地市場と同じである。

 平成29年1月に東京都中央卸市場が発表した『豊洲市場の事業継続性について』の報告書(http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt05/06_keizokusei.pdf)のP23によれば、月額家賃(施設使用料)は、下記である。

      卸売業者売場     545円/u
      卸売業者低温売場      750円/u

仲卸業者売場     2,150円/u
関連事業者営業所   2,386円/u
事務室        2,211円/u
荷捌き場        545円/u 低温荷捌き場      750円/u
作業所        1,409円/u 低温作業所      1,614円/u 
倉庫         1,029円/円 
車輌置場        679円/円

 築地市場の賃料(施設使用料)は、下記であった。

      一次卸売業者            u当り505円
           二次卸売業者            u当り1,991円
           荷捌き場              u当り505円

 築地では一次卸売り業者の家賃505円/uが、豊洲では545円になっているから、u当り40円値上がりしているのでは無いのかというごとく見えるが、築地の金額は消費税別の金額であり、豊洲の金額は消費税込みの金額である。

 築地の一次卸売業者の家賃に消費税8%を乗じて求めると、

              505円×1.08=545円

545円となり、その金額は豊洲の卸売業者の金額になる。

 同様に築地の二次卸売業者、荷捌き場の金額に消費税8%を乗ずると、下記である。

           二次卸売業者   u当り1,991円×1.08=2,150円
           荷捌き場       u当り505円×1.08=545円

 豊洲市場の家賃と同じになる。

 つまり豊洲の新市場の家賃は、築地市場の家賃と同じということである。『豊洲市場の事業継続性について』の報告書は豊洲市場の金額は消費税込であると記すべきである。

 低温施設は750円であるが、これも消費税込みであり、税別では、

              750円÷1.08≒695円

である。

 建物が新しくなり、設備も新しくなり、多額の金額が投下資本されたのであるから、家賃は高くなってもよいのではないのかと一般的には思われるのであるが、東京都及び卸売業者・仲卸売業者の人々の考えは、それを否定する考え方の様である。

 東京都には、東京都が運営する卸売市場として豊洲市場を含めて11個所あるが、その11の卸売市場の家賃は、上記の賃料で全て同じである。

 土地価格が、u当り15.1万円〜125万円の上に立つ建物の家賃は、全て同じというのである。

 豊洲市場の土地建物の価格は、前記『豊洲市場の事業継続性について』の報告書によれば、下記である。

        建設費         2,744億円
        土壌汚染対策費          860億円
        その他関連工事費等       421億円
        用地取得費       1,859億円 
            計                 5,884億円

 上記金額のうち建設費は、建物と構築物の金額である。

 土地価格は、

        土壌汚染対策費          860億円
        その他関連工事費等       421億円
        用地取得費       1,859億円 
            計                 3,140億円

である。

 豊洲市場の土地面積は、40.7haである。u当りの表示では、407,000uである。

 u当り価格は、

                  314,000,000,000円
              ───────────   =771,498円≒771,000円       
                     407,000u

である。宅地の価格は、u当り77.1万円である。

 豊洲市場の土地には、「その他の施設」の施設使用料がある。

 その中に建物・工作物の敷地の使用料は、u当り822円/月と言う記載がある。

 建物・工作物の敷地の使用料とは地代である。この土地賃貸借契約は定期借地権によるものである。
 
 土地価格に対する地代の割合を求めてみると、

                    822円×12
                 ─────── =0.01279≒0.013                    
                   771,000円

1.3%である。

 地代の利回りから検討すれば、定期借地権の地代水準としては、市場性を反映した適正地代水準と思われる。

 ここで思いだして欲しい。卸売業者、荷捌き場の家賃は、税別で505円であった。

 地代は822円である。

 上記の家賃と地代の価格を知って、少しおかしいと思わないか。

            地代822円 > 家賃505円

 家賃の方が地代よりも安いのである。

 同一場所で、家賃の方が地代より安いという価格体系は、自由主義経済で成り立つのであろうか。

 地代より安い家賃の建物の中では、競争入札という自由主義経済の基本である競争による行為が行われている。その一方その建物の家賃は、自由競争を全く無視した社会主義的な家賃決定がなされている。

 この現象をおかしいと思わないか。


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