エスエス製薬が、100%子会社の渇棊p医学研究所を、シミック鰍ニいう会社に売却した。(エスエス製薬HPプレスリリース 2004年7月22日)
売買価格は14億円という。
応用医学研究所は、医薬品等の安定性試験を受託している会社である。
16年3月期の売上高は10億円で、営業利益は2.44億円である。つまり営業利益率24%という甚だ利益率の高い会社である。
その応用医学研究所を企業購入するシミックという会社は、日本で最初にCROを事業化した会社という。
CROとは何かというと、私は勿論知らなかったが、同社のホームページでの説明によれば、医薬品開発受託機関というものを「CRO」と言うようである。
それはどういう仕事内容かと言えば、医薬品などの開発プロセスにおいて、主に臨床試験(治験)を製薬会社から受託して医薬品の製品化を支援するビジネスという。
医薬品の臨床試験という専門性の高いビジネスが、アウトソーシングされだしたと言うことである。
営業利益2.44億円の会社を14億円で売買するのである。
購入企業の投下資本利益率は、
2.44億円÷14億円=0.174
17.4%である。大変な高い投下資本利益率である。飲食店並である。
投下資本利益率が高いことは、裏を返せばリスクが多いから、それに見合うリターンを要求するために高い利率になるのである。
投下資本回収年は、
1÷0.174=5.74年≒6年
である。
投下資本利益率17.4%、投下資本回収年6年である。まさに飲食店並の条件の企業売買である。
売却側のエスエス製薬は、経営資源の選択と集中の経営方針によって子会社戦略を見直した結果、高利益率の子会社を手放すようである。
しかし、投下資本利益率17.4%とは甚だ高利益率である。
臨床試験ビジネスというものは、余程リスクの伴う事業であるのだろうか。
私には臨床試験ビジネスが、飲食店のごとく、リスクの大きい事業には思われないが。
投下資本利益率10%として計算すれば、
2.44億円÷0.10=24.4億円
である。20億円程度の売買価格でも充分では無かったかと、私には思えるが。
当事者間に、伺い知れない何かそれなりの理由があったのであろう。