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1905)日本の工作機械製造業に大不況が訪れようとしている

 一般社団法人 日本工作機械工業会(会長 東芝機械株式会社会長飯村幸生氏)が、機械の受注高の状況を発表している。

 内需・外需に分けてホームページに発表している。

 その数値は、下記である。


工作機械受注統計(月別) 一般社団法人日本工作機械工業会            
             
  受注総額 百万円 前年比 % 内需 百万円 前年比 % 外需 百万円 前年比 %
             
2018年1月 154391 148.8 55608 147.3 98783 149.7
2018年2月 155194 139.5 58196 143.6 96998 137.2
2018年3月 182860 128.1 75551 144.0 107309 118.9
2018年4月 163063 122.0 68510 135.8 94553 113.6
2018年5月 149244 114.9 62898 123.2 86346 109.5
2018年6月 159293 111.4 62980 115.1 96313 109.1
2018年7月 151135 113.1 67433 122.1 83702 106.7
2018年8月 140391 105.1 62372 120.5 78019 95.4
2018年9月 153454 102.9 64412 105.6 89042 101.1
2018年10月 139619 99.3 57655 101.7 81964 97.6
2018年11月 131605 83.0 57576 106.0 74029 71.1
2018年12月 135522 81.7 57152 90.2 78370 76.4
2019年1月 125401 81.2 46772 84.1 78629 79.6
2019年2月 109742 70.7 41668 71.6 68074 70.2


 2018年10月からの対前年同月比の外需受注高の減少が激しすぎる。

          2018年10月        97.6%   ▲ 2.4%
          2018年11月        71.1%   ▲28.9%
          2018年12月        76.4%   ▲23.6%
          2019年01月        79.4%   ▲20.6%
          2019年02月        70.2%   ▲29.8%

 2019年2月の外需の大口の国別の受注額と対前年同月比を記すと、下記である。

                            受注額           対前年同月比

アメリカ 18,000百万円    78.9% 中国 14,081 49.6 ドイツ 4,674 80.3 インド 3,833 67.7

 中国からの受注が、50%減になってしまった。

 工作機械の受注額が、 対前年同月比で▲30%が、1年半続いたとしたら、従業員の解雇、工場の閉鎖そして倒産の道を歩む会社が続出しかねない。

 機械の機械を作る日本の工作機械会社の不況は、機械によって工業製品を作り輸出する日本の産業界に大きな影響を与える。

 工作機械業界の昨年10月からの急激な外需受注減は、安閑としている訳には行かない。日本経済に大打撃を与えることになり、日本経済が大不況になる可能性をはらんでいる。

 東京オリンピックで浮かれて、工作機械業界の受注激減状況の対策を早急にとらないと、オリンビック後は大不況に襲われることになろう。

 一般社団法人 日本工作機械工業会は、ホームページ(http://www.jmtba.or.jp/machine)で、工作機械とはどういうものか説明している。それを下記に転載する。

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 工作機械とは

 私たちが日頃何気なく使っている、スマートフォンや時計、家電製品やデジタル機器などに必要な精密部品から、大きいものでは自動車や航空機、船などの移動手段、また、人工骨や人工関節といった生体材料に至るまで、金属を材料とする製品は日常生活のあらゆる分野に存在しています。

 これらの製品を構成する部品は、主として素材から削ったり、穴をあけたり(切削加工)して作られる、または切削加工で仕上がった金型によって作られます。このような加工を行う機械を「工作機械」といい、人々の暮らしを快適・便利にする「ものづくり」のための機械として、様々な製品の一部を作りだし、私たちの生活を支えています。工作機械は金属に限らず、セラミックス、ガラスといった非金属も加工することができます。

 精密で複雑な部品を正確かつ効率的に作ることが工作機械の役割です。すべての機械やそれらの部品は工作機械を通じて作られていることから、 工作機械は「機械を作る機械」「マザーマシン(母なる機械)」ともいわれています。 工作機械は、広義には「切削、研削、せん断、鍛造、圧延等により金属、木材、その他の材料を有用な形にする機械」と定義されますが、日本工業規格(JIS)では次のように定義しています。

 「主として金属の工作物を , 切削 , 研削などによって , 又は電気 , その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き , 所要の形状に作り上げる機械。ただし , 使用中機械を手で保持したり , マグネットスタンド等によって固定するものを除く。狭義であることを特に強調するときには , 金属切削工作機械と表現することもある。」

 このように日本では、主に金属の不要な部分を削り取って所要の形状に作り上げる機械を工作機械と定義しています。ただし、日曜大工などで手に持って使う電動のドリルやグラインダなどは、工作機械に含めていません。

 なお、海外ではより広義に解釈し、プレス(鍛圧)機械や木工機械も工作機械に含めるのが一般的です。

 また、工作機械は、作業者がハンドルを回すことなどによって操作する「汎用工作機械」と、コンピュータ等による数値制御で自動運転を行う「NC工作機械」とに大きく分けることができます。

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 そして工作機械産業は、国の「戦略的基幹産業」と述べている。

 「工作機械の性能の優劣が、生み出される製品の競争力を大きく左右し、その国の工業力全体にも大きく影響を及ぼします。このため、各国とも工作機械産業を戦略的基幹産業と位置付け、その発展に力を尽くしています。」

 では、一般社団法人 日本工作機械工業会の構成会社はどういう会社かということになる。

 同社団のホームページによれば、会員は、2018年8月1日現在で103社である。

 どういう企業が工作機械の会社であるかは、同社団の役員をしている企業名を知れば、おおよそ分かるであろう。

 同社団の役員である会長、副会長、理事、監事をしている企業名は、下記である。社名の株式会社の表示は省略する。

 東芝機械、DMG森精機、ファナック、神崎高級工機製作所、ヤマザキマザック、中村留精密工業、FUJI、浜井産業、ジェービーエム、ジェイテクト、カシフジ、キタムラ機械、コマツNTC、光洋機械工業、牧野フライス製作所、松浦機械製作所、三菱重工工作機械、三井ハイテック、三井精機工業、村田機械、岡本工作機械製作所、OKK、オークマ、オーエム製作所、シギヤ精機製作所、高松機械工業、トーヨーエイテック、ツガミ、安田工業、エンシュウ、倉敷機械、ソフィックス、東京ビッグサイト


  鑑定コラム1979)
「日本の工作機械製造企業の受注の落ち込みが激しい」


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