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1952)アンタ、あの娘(こ)のなんなのさ

 2019年7月13日(土)に、府中市の「府中の森芸術劇場どりーむホール」で開かれた宇崎竜童のコンサート(演出阿木燿子)に行って来た。

 『阿木燿子プロデュース 宇崎竜童ロックンロールハート2019』と名打った全国ツアーの出発演奏が府中で開かれた。

 宇崎竜童のステージでのトークでは、宇崎竜童は府中とは縁があるという。

 竜童が未だ売れない頃、府中のクラブで演奏していたという。15分間の演奏を5回行っていたという。

 売れ出してもしばらくは契約が有り、府中のクラブで演奏していたと云う。

 そうしたこともあり、ツアーの始まりを府中で行うことに決めたのであろうか。そうであるとすれば、無名の宇崎竜童に、生演奏の場所を提供していた府中のクラブの経営者に感謝しなければならない。

 私が竜童の演奏を生で聞くのは、今回で2度目である。

 1回目は、竜童が歌手山口百恵の作曲を手がけ、次々とヒット曲を連発していた頃である。

 府中に日本中央競馬会が持つ府中競馬場がある。日本ダービーが開かれる競馬場である。

 その府中競馬場でお祭りが開かれる。その時の招待演奏楽団として宇崎竜童の「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」が来て、競馬場の真ん中にある芝生に舞台が作られ、宇崎竜童が唄った。それを私は観に行ったのである。無料である。

 ステージに近い方が良いであろうと思い、ステージの前の方に陣取っていた。

 演奏が始まった。ステージ両脇にあるスピーカーから流れる2ビートの楽器音の音量が強烈である。

 耳をつんざく爆音に驚き、大きく離れる後の芝生に座る場所を移動した。

 白いつなぎの洋服に、サングラスを掛けたダウン・タウン・ブギウギ・バンドをバックに唄う宇崎竜童の「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を生で初めて聞いた。

 昨年(2018年)12月14日、近松門左衛門原作、阿木燿子演出、宇崎竜童音楽監督の「Ay曾根崎心中」を平成の明仁天皇・美智子皇后両陛下が観劇されたことを共同通信が代表写真を付けて、「両陛下フラメンコ鑑賞 曾根崎心中 東京・新国立劇場」の見出しで伝える。

 共同通信の代表写真では、天皇陛下の右側には阿木燿子、皇后陛下の左側には宇崎竜童が並ぶ。
(https://this.kiji.is/446281924883104865?c=39546741839462401)

 宇崎竜童・阿木燿子夫妻は、天皇・皇后両陛下が観劇したいと思われるまでの舞台劇に「Ay曾根崎心中」を作りあげたのである。

 『宇崎竜童ロックンロールハート2019』のツアーは、宇崎竜童73歳のジャンプのツアーのようである。

 入場に伴い配られたチラシには、ツアーの主旨を、プロデュースする阿木燿子氏が挨拶の中で、次のごとく述べている。

 「1度目は「練習の成果を出せなかったと反省しきり、2度目は「完全燃焼まで、あと1歩」と悔いを残す。だったら3度目こそは、ホップ・ステップ・ジャンプで飛んでもらわねば、周りだってやってられない。年号もあらたに、人生100年時代の今、日本のロッカー達にも時代の波は押し寄せて、年齢を理由に"イケてない"ことの言い訳が通じなくなった。まだまだ若輩者の宇崎竜童、ロッカーとしての思いの丈を、弾丸のように炸裂させ、弾けて欲しい。」

 ロックンロールを唄う竜童の声は、とても齢73歳の声とは思えなかった。伸びのある声に私は驚いた。

 阿木燿子氏がプロデュースしたのであるから、阿木燿子氏は舞台に顔を出してくれないだろうかと思っていた。

 後半、その願いが叶った。

 阿木燿子氏が作文コンクールの審査員として応募作品に目を通した中で、最高として推した作文を朗読する場面が作られていた。

 その朗読者として、阿木燿子氏つまり宇崎竜童氏の妻が、舞台に姿を現した。

 その作文は、ベトナム難民として日本に来た女子高校1年生の作文であった。

 朗読の後、このベトナム難民少女の作文からイメージして作られた「YO-SORO(ヨーソロ)」という曲を竜童は唄った。この曲は良かった。

 このベトナムの女性は、今、どうしているのであろうか。

 長いコンサートであったが、一向に最も聞きたい曲が歌われない。

 どうしたんだろうと思っているうちに、2時間半に及ぶコンサートの終了の時間を迎えた。

 バンド全員と竜童がステージの前に並び、頭を下げてステージから去ってしまった。

 「おい、おい、冗談ではないょ。聞きたい歌をまだ聞いていないょ。」

 観客のアンコールの拍手が続く。

 鳴り止まない拍手に応じて、竜童とバンドグループは、ステージに戻って来た。

 ドラム、ギターが鳴り響く。

 竜童は、それまで素顔で歌っていたが、サングラスを掛けた。

 マイクに口を近づけて云う。


 ♪♪ ちょっと前なら憶えちゃいるが

    一年前だとチトわからねぇなあ・・・・・

    ワルイなぁ ほかをあたってくれょ

    アンタ あの娘の何んなのさ!

    港のヨーコ・ヨーコハマ・ヨコスカァーーー ♪♪


 「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(作詞阿木燿子、作曲宇崎竜童)の曲が歌われた。

 会場は、拍手、拍手、拍手・・・・・である。

 座席番号11列39番で、2時間半ロックの強烈な音量を体に浴び、エネルギーをもらい、少し若返った様な気がして来た。竜童のブギウギロックンロールを堪能した。

 宇崎竜童の演奏ツアーは、府中から全国ツアーが始まるという。

 宇崎竜童のホームページを見ると、その期日と場所が記されている。

 転載すると下記である。(http://www.ryudo.jp/rock-n-roll-heart-2019/ )

    2019年7月13日(土)   東京 府中の森芸術劇場どりーむホール
    2019年7月20日(土)   大阪 新歌舞伎座
    2019年8月10日(土)   福井 フェニックス・プラザ
    2019年8月11日(日)   愛知 名古屋市公会堂 大ホール
    2019年8月31日(土)   新潟 長岡市立劇場 大ホール
    2019年10月5日(土)   東京 東京国際フォーラム・ホールC
    2019年11月21日(木)  北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
    2019年11月23日(土)  北海道 北斗市総合文化センター かなで〜る


  鑑定コラム1272)
「 港のヨーコの流行った年に建てた建物が寿命を迎えた(耐用年数38.3年) 」


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