○鑑定コラム


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197)雪かきとマンション管理

 2004年暮れの鑑定コラムでは、不動産鑑定評価の実証性を切り口にしたコラムと偉そうなことを言っていたが、2005年最初の鑑定コラムは、それとは相当トーンが落ちて、身辺雑記の内容のものである。

 2004年暮れから2005年の三が日は、締め切り期限がとっくに過ぎてしまった論文の書き上げに費やされてしまった。
 「建替マンションと不動産鑑定評価」の課題の論文である。

 それは、建替マンションを特集テーマにした2005年2月15日発行の「Evaluation」16号のための原稿である。
 同号には、マンション学会所属の大学教授の論文、税務の面からの税理士の論文、建築の面から一級建築士の論文、建替マンションコンサルタントの論文等、それぞれの専門分野の人々が建替マンションについて論じた論文が掲載される予定である。

 施行マンションの価格、施行再建マンションの価格、地権者と開発業者との間の専有面積の配分割合等についての価格評価の面については、私が担当することになった。
 課題の論文は、実際に「マンション建替の円滑化等に関する法律」(円滑法)を適用した建替マンションの鑑定評価をやっていないと書ける内容でない。たまたま、円滑法を適用した建替マンションの評価をやったことがあったので引き受けたのである。

 1頁35字30行で、図表も入れて34頁の論文である。
 ここからは多分に我田引水であるが、建替マンションの評価をするときにはかなり参考になるのでは無いかと思っている。

 Evaluation8号に掲載された「ゴルフ場の鑑定評価」の論文は、貶す人もいたが、大変多くの方に読んでもらい、金融関係の官庁、銀行の方が随分とその論文が、ゴルフ場の価格査定、新たなゴルフ場への融資・不良債権処理の実務で役に立ったと聞いた。それを聞くだけで少しは社会に役立てたことに喜びを感じる。

 建替マンションの鑑定評価の論文は、そこまではゆかないと思うが、築後40年近くのマンションが多くなるこれから、否応なく建替について考えざるを得なくなり、少しは役立つのでは無かろうかと思っている。

 その論文作成のあおりで、毎年正月三が日にテレビ観戦する元旦の社会人駅伝、2・3日の箱根駅伝を全く見ることが出来なかった。甚だ残念であった。 それらを犠牲にして書き上げた論文である。全くの自画自賛であって、いささか心苦しいが、Evaluation16号「乞う ご期待」である。

 2004年の暮れの31日、東京を雪が襲った。
 雪に対しては、東京は甚だ弱い。新幹線は止まる。坂道でスリップして立ち往生してしまう自動車が続出する。

 テレビの天気予報では、私の住む府中方面も積雪15cmも積もるというから、道が夜間の間に凍っては大変ということで、家の前の道路に積もった雪かきを行うことにした。

 雪かきを終え、未だ出していない年賀状を府中郵便局に出す為に、郵便局まで行くことにした。

 東京の西の郊外にある府中にも、最近はマンションが多くなってきた。
 マンション前の道路の雪かきを終えたマンション、全く雪かきをしていないマンションと、対応が全く異なることに気づいた。

 マンションの購入は「管理を買え」と、マンション購入の手引き書にはよく書いてある。
 その通りであるが、その管理とは一体何かということになる。
 高い管理費、管理人の常駐、オートロック、監視カメラ、警備会社とのセキュリティ契約等を言うかもしれない。

 それら設備を見て、管理が行き届いたマンションと判断出来るかもしれないが、しかし、前面道路の雪かきが成されていないマンションの前を通ると、このマンションの管理はどうなっているのだろうかと思ってしまう。

 公道の雪かきなどはマンションの管理には含まれない。関係ないと言われれば、それまでであるが。

 マンション前の公道の雪かきが成され、通行人が足元に不安を感じずに、マンションの前を通ることが出来ることは大変心地良いものである。
 管理の心くばりが行き届いているとわかり、そのマンションに住んでいる人々も、心豊かな人々であろうと、つい思いたくなってくる。

 では、そうした心くばりの管理の行き届いているマンションの価格は、その良い管理の程度が、どれ程そのマンション価格に影響を与えているのか。
 そう問われた時、それへの明確な回答は ? 。
 各自考えられたい。
 
 雪かきは何もマンションの前の道路に限るのでは無い。
 戸建住宅地の地域にあって、道路の雪かきがされている地域を歩くと、この地域は居住者の居住意識が高く、居住者の地域を守ろうという考え方が伝わってくる。
 そしてそれは、当該地域の防犯対策の意識にも繋がっていると読みとれる。

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