○鑑定コラム


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196)検索語句のトップは「利回り」

 NTTの検索エンジンgoo(グー)を運営している人であったろうか。
 検索エンジンを運営している人が、今年、平成16年(2004年)の話題ブームのトップテンに入る「韓流」の火付け役になった「冬のソナタ」の流行の兆しを、  「半年前にキャッチし、その後の追跡で「冬のソナタ」ブームを予測できた。」
と言っていたことを新聞で最近読んだ。

 冬ソナがブームになる半年前に、グーの検索言語に突然「冬のソナタ」という言葉が出てきた。
 その人は、「冬のソナタ」とは何かと調べてみた。そして検索言語のヒット数を追跡していると、日ごとに冬ソナのヒット数が多くなって来た。これはブームになると予感したという。

 その後NHKの「冬のソナタ」の韓国テレビドラマの放映が始まり、韓流ブームに火がついた。
 日本人の冬ソナファンの韓国のロケ現場のツァーが急増し、成田空港では韓国への航空便に遅れが出るほどの影響を与えるまでになった。

 パソコンを辞書代わり、情報収集の手段の一つとして利用する人が多くなった。わからないことがあれば、検索エンジンを使ってインターネットで調べることが、極く当たり前になってきた。

 検索エンジンの検索語句を注意深く見ていることによって、時代の流れを読みとることが出来そうである。
 グーの運営者は、「冬のソナタ」のブームの予兆現象、その後のブーム到来を予測し得たのである。

 試しに、グーグルで「冬のソナタ」を検索してみたら、件数は674,000件(2004年12月30日)と出てきた。
 この鑑定コラムを読んだ人は、現在はどれほどか試しにグーグルで「冬のソナタ」の語句で検索して試してみてほしい。2004年12月30日からどれほど件数が増えているかわかる。

 ここで話は、甚だ小さくなる。
 我ホームページ訪問者の、最近1ヶ月(2004年12月)の検索語句を調べて見たら、次のごとくであった。但し田原都市鑑定、田原鑑定、田原拓治、田原という語句は除く。


    1位      利回り
    2位      還元利回り
    3位      ゴルフ場
    4位      熱海ビーチライン
    5位      営業権
    6位      鑑定コラム
    7位      鑑定
    8位      継続賃料
    9位      経済的耐用年数
    10位      Jリート
であった。

 不動産についての利回り・還元利回りについての関心が、非常に高いことが伺われる。
 土地価格が比準価格から収益価格で取引される時代になって、一体どれほどの利回りが、購入・売却の時に妥当な値なのかが知りたいためでは無かろうか。

 件数は10件と多くは無かったが、「ファインメット」という語句でホームページを訪れていたのには驚いた。
 ファインメットとは何か。それを不動産鑑定士で知る人は少ないであろう。又、何も知る必要性も無い。私も知らなかった。

 本鑑定コラムの110) 「日立金属の経営戦略事業が見えてきた」 の記事の中で、日立金属が事業経営の柱にしょうとしているのが、ファインメット事業であると、私は勝手に判断して記事を書いた。その記事の中にファインメットという語句が出てくる。

 この語句に興味を持つ人は、金属材料の研究者かファインメット事業に何らかの形で関係する人達だけでは無かろうか。しかし、それらの人はすでにファインメットとは何かと知っているハズである。
 1ヶ月の間にファインメットという語句で、10件もの訪問者があったことが、私にはさっぱりわからない。

 過去3回、検索語句について統計を取っている。それと今回の結果と比較して見ることも、何かの参考になるであろう。順位5位まで書く。

    2002年8月
      1位   セル生産方式
      2位   吉野家再建
      3位   借地権譲渡承諾料
      4位   不動産リート
      5位   不動産鑑定
                     期待利回り

    2003年2月
      1位   大学教授になるには
      2位   熱海の不動産
      3位   東名高速道路料金
      4位   不動産鑑定基準
      5位   ゴルフ場の鑑定評価

    2004年7月
      1位   還元利回り
      2位   ゴルフ場
      3位   賃料
      4位   不動産鑑定
      5位   利回り

    2004年12月(今回)
      1位     利回り
      2位     還元利回り
      3位     ゴルフ場
      4位     熱海ビーチライン
      5位     営業権
 調査の期間は2年半の短い間であるが、検索語句の変移から時代の流れ、不動産鑑定の方向がぼんやりと見えて来るようである。

 今年(2004年)最後の鑑定コラムになりました。
 来年(2005年)も、不動産鑑定の実証性を切り口にして勝手気ままな、しかし独創性あるコラムを送りたいと思います。引き続き本コラムを訪問していただければ幸いです。

 1年間、ご愛読していただき有り難うございました。

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