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1995)都バス1分は180メートル

 不動産広告の説明で、「駅より徒歩8分」等と、徒歩分の表示されているのを見かけることが多い。

 この場合の徒歩距離は、

      徒歩1分=80メートル

で計算されたものである。

 それは、不動産業界が決めているものではない。法律によって決められた距離である。

 その法律とは、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」であり、その第10条1項10号に、規程されている。抜粋すれば、下記である。

 「(物件の内容・取引条件等に係る表示基準)
第10条 規約第15条(物件の内容・取引条件等の表示基準)各号に規定する事項について表示するときは、次の各号に定めるところにより表示する。

(10)徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。」

 ではバス5分の場合、その距離はどれ程か。

 バスについては、距離の規程は無い。

 不動産の距離の表示は、全て徒歩分ばかりではない。バス利用の不動産もある。

 不動産広告には、「バス8分、停下車徒歩5分」等の表示も現実には多くある。

 その場合、バス分の距離表示の規程が無いことから、自分で距離を求めなければならない。

 東京都交通局が、平成31年4月1日付で都営バス(乗合)の概要を、発表している。

 その概要を転載すると、下記である。

     営業キロ     740.6km
          系統数      130系統
          系統総長     1,085.4km
          平均系統長    8.3km
          停留所      1,545個所
          車両数      1,484両
          平均定員     73人*
          平均時速     10.72km/h*
          営業所数     11個所 他支所7個所
             * 平成30年度の平均

 上記データの中で、都営バスの平均時速が公表されている。 平均時速10.72kmである。

 このデータから、都バスの1分の距離が求められそうである。

 平均時速は、/hとあるから、1時間の走行距離である。1時間は60分である。

        10,720m
               ───── = 178.6m≒180m                           
                  60分

 都バスの1分間の走行距離は180メートルということである。歩く速さの2.3倍である。23区内は信号が多くあり、車も多いことから、都バスは1分間に180mしか進まない。

 郊外のバスはどうであろうかと思い調べて見た。

 東京の西の郊外の外れ、青梅市のバスを調べて見た。

 東青梅駅から、青梅市の北側に隣接する埼玉県飯能市の飯能駅間を運行する西武バスがある。

 その系統の東青梅から岩井堂というバス停までの時間は、西武バスの発表では17分である。

 距離は、昭文堂発行の都市地図の青梅市(縮尺1/18,000)の地図により、地図上のバス通行道路をキルビメーター計測器で測った。

 キルビメーター計測器の1pは、距離180メートルである。

 東青梅駅から岩井堂バス停までの距離は、7,560メートルと計測された。手で測るのであるから、誤差はあると思われるが、それは無視することにする。

 7,560mの距離を17分でバスは走る。これから西武バスの1分の走行距離が分かる。

               7,560m
             ─────= 444m ≒440m                               
                17分

 東京の郊外の青梅市内のバス1分の距離は、440mである。

 バスの時速は、

       440×60=26,400m≒26km

26kmである。

 まとめると、

     23区内のバス1分=180メートル
          東京郊外のバス1分=440メートル

である。


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