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2440) 借地権付建物の賃料を求める基礎価格についての考え方の推移


                      不動産鑑定士
                         桐蔭横浜大学法学部客員教授
                                                  田原 拓治

1.はじめに

 不動産鑑定のペーパー試験に合格しても、すぐに不動産鑑定士の資格を得られるものではない。

 不動産鑑定評価の実務を知り、体験し、実務修習(制度改正前は「実務補習」と呼んでいた)を得て、実務試験に合格して不動産鑑定士の資格を得ることが出来る。

 以前は、この試験を三次試験と云い、現在は実務試験と呼ばれている。

 この実務修習に使用されているテキストに記述されている内容の変化から、借地権付建物の賃料を求める基礎価格の求め方がどの様に変化推移してきたか分析する。

 テキストの入手に努力したが、コロナウイルス感染拡大の影響によって、日本不動産鑑定士協会連合会、東京都不動産鑑定士協会は、所蔵図書の閲覧を禁止しており、各年全て入手出来無かった。入手出来る年のみの記述となる。

2.各年の借地権付建物価格の基礎価格

@ 1999(平成11)年版

 イ、積算法の基礎価格

 「建物及びその敷地の現状に基づく利用を前提として成り立つ当該建物及びその敷地の経済価値に即応した価格」を基礎価格と記述する。
(平成11年度 第35回実務補習第2期テキスト その4 「積算法・賃貸事例比較法・収益分析法」P3 社団法人日本不動産鑑定協会研究指導委員会 資料14-1 省略)

 ロ、借地上の建物の賃貸借

 「借地権付き建物の場合の基礎価格は、借地権付建物の価格であり、公租公課の代わりに地代が必要諸経費として加算される。

 ところで実際の家賃形成には借地か自用地かの区別がなく需給関係で決まるので、借主側から見ればこれらを区別する必要はなく、基礎価格は自用の建物及びその敷地として査定するのが妥当であるとされるのが実務上一般的に多く見られる。

 しかし、理論上は借地権付建物としての基礎価格を求めた上で、その積算賃料と、更に他の手法による賃料との間で、最終段階において調整をはかる考え方もありうる。

 これは当該借地権につき設定権利金が提供された場合等において問題になるところである。」
(平成11年度 第35回実務補習第2期テキスト その1 P13 社団法人日本不動産鑑定協会研究指導委員会 資料14-2 省略)

A 2000(平成12)年版

 1999年版に同じ。
(平成12年度 第36回実務補習第2期テキスト 継続家賃の鑑定評価 P13 社団法人日本不動産鑑定協会研究指導委員会 資料15 省略)

B 2001(平成13)年版

 (借地権付建物の場合)

 「借地権付建物の場合の基礎価格は、当該建物及び借地権の一体価格である。

 借地権付建物の賃料を算出するにあたっては、当該不動産について、自用の建物及びその敷地としての価格を基礎価格としても問題ないとされる考え方が実務において見受けられる。

 その理由は、借地権、所有権といった敷地の利用権限の違いは家賃形成に影轡を及ぼすものではなく、あくまで、賃貸部分の需給関係において決まるものであることから、これらを区別する必要はないとする考え方や、借家人側としては、自用地上の建物を賃借する場合と何ら変わりない効用を享受できるのであるから、基礎価格を 「自用の建物及びその敷地」価格としても差し支えないとする考え方である。

 しかし理論約には、あくまで、借地権付建物としての基礎価格を求めた上で、これに必要経費等を加算して算出したものが、当該類型における積算法による試算賃料であると考えられる。

 そして、このようにして求められた積算賃料について、試算賃料の調整の段階において、他の評価手法の適用により求めた賃料との間で調整を図り最終的に鑑定評価額を決定するというのが妥当である。」
(第37回実務補習 実務に関する講義教本 4 新規・継続家賃の鑑定評価 P65 社団法人日本不動産鑑定協会 資料16 省略)

C 2003(平成15)年版

 2001年版に同じ。
(第39回実務補習 実務に関する講義教本 4 新規・継続家賃の鑑定評価P78 社団法人日本不動産鑑定協会 資料17 省略)

D 2004(平成16)年版

 2001年版に同じ。
(第40回実務補習 実務に関する講義教本 4 新規・継続家賃の鑑定評価P82 社団法人日本不動産鑑定協会 資料18 省略)

E 2005(平成17)年版

 2001年版に同じ。
(第41回実務補習 実務に関する講義教本 3 新規・継続家賃の鑑定評価P38  社団法人日本不動産鑑定協会 資料19 省略)

F 2006(平成18)年版

 (借地権付建物の場合)

 「借地権付建物の基礎価格については、現況どおりに借地権付建物としての価格を基礎価格とする考え方のほかに、実務上、当該不動産の自用の建物及びその敷地としての価格を基礎価格とする考え方が存在する。

 自用の建物及びその敷地としての価格を基礎価格とする考え方は、借地権、所有権といった敷地の利用権限の違いは家賃形成に影響を及ぼすものではなく、家賃はあくまで、賃貸部分の需給関係に措いて決まるものであることから、これらを区別する必要はないとすることや、借家人側としては、自用地上のたてものを賃借する場合と何ら変わりない効用を享受できるのであるから、基礎価格を「自用の建物及びその敷地」価格としても差し支えないとすること等が論拠となっている。

 いずれの考え方に基づいて基礎価格を査定する場合においても、査定の根拠について、十分な説明責任を果たすことが求められる点に留意しなけれはならない。」
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P266 社団法人日本不動産鑑定協会 資料20 省略)

G 2008(平成20)年版

 「実務上」という語句の使用位置が異なる以外は、文章は2006年版の説明と全く同じである。
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P276 社団法人日本不動産鑑定協会 資料21 省略)

H 2009(平成21)年版

 2008年版と同じである。
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P316 社団法人日本不動産鑑定協会 資料22 省略)

I 2015(平成27)年版

 (借地権付建物の場合)

 「借地権付建物の基礎価格については、現況どおりに借地権付建物としての価格を基礎価格とする考え方のほかに、実務上、当該不動産の自用の建物及びその敷地としての価格を基礎価格とする考え方が存在する。

 自用の建物及びその敷地としての価格を基礎価格とする考え方は、借地権、所有権といった敷地の利用権限の違いは家賃形成に影響を及ぼすものではなく、家賃はあくまで、賃貸部分の需給関係において決まるものであることから、これらを区別する必要はないとすることや、借家人側としては、自用地上の建物を賃借する場合と何ら変わりない効用を享受できるのであるから、基礎価格を「自用の建物及びその敷地」価格としても差し支えないとすること等が論拠となっている。

 いずれの考え方に基づいて基礎価格を査定する場合においても、査定の根拠について、十分な説明責任を果たすことが求められる点に留意しなけれはならない。

 また、基礎価格の相違によって、期待利回り、必要諸経費等の計上内容が異なるが、求められる積算賃料は同じとなることに留意しなければならない。」
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P207 公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 資料23 省略)

 2015年版は、2006年版と殆ど同じであり、最後の2行に

 「また、基礎価格の相違によって、期待利回り、必要諸経費等の計上内容が異なるが、求められる積算賃料は同じとなることに留意しなければならない。」

が追加された。

J 2016(平成28)年版

 2015年版に同じ。
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P207 公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 資料24 省略)

K 2022(令和4)年版

 最新版の記述は2015年版に同じ。
(実務修習・指導要領テキスト 新規・継続家賃の鑑定評価 P350 公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 資料25 省略)

3.まとめ

 イ、上記日本不動産鑑定協会(現日本不動産鑑定士協会連合会) の不動産鑑定士の実務補習・実務修習に使用されるテキストによる借地権付建物価格の賃料を求める基礎価格について、その求め方がどの様に変化推移したかは上記資料によって知ることが出来る。

 ロ、1999年版は、「建物及びその敷地の現状に基づく利用を前提として成り立つ当該建物及びその敷地の経済価値に即応した価格」を基礎価格の求め方の基本として、借地権付建物は、現状が借地権付建物であるから基礎価格は、借地権付建物価格とする。

 ハ、2000年版も1999年版の考えを踏襲する。

 ニ、2001年版は、自用の建物及びその敷地価格を実務上基礎価格にしている状態があると伝えながら、「しかし理論約には、あくまで、借地権付建物としての基礎価格を求めた上で、これに必要経費等を加算して算出したものが、当該類型における積算法による試算賃料であると考えられる。そして、このようにして求められた積算賃料について、試算賃料の調整の段階において、他の評価手法の適用により求めた資料との間で調整を図」れと記述する。

 ホ、2003年版、2004年版は2001年版と同じである。
 
 ヘ、2006年版は、「あくまでも借地権付建物価格が基礎価格である」という主張が無くなり、
     @  借地権付建物価格の基礎価格
     A 自用の建物及びその敷地価格の基礎価格
の両論併記となり、次の文章が追加される。

 「いずれの考え方に基づいて基礎価格を査定する場合においても、査定の根拠について、十分な説明責任を果たすことが求められる点に留意しなけれはならない。」

 ト、2008年版、2009年版も2006年版と同じである。

 チ、2015年版

 2015年版は、最後の2行に文章が加えられた以外は、2006年版と同じである。付け加えられた最後の2行とは、次の2行である。その2行の後段の部分が特に重要である。

 「また、基礎価格の相違によって、期待利回り、必要諸経費等の計上内容が異なるが、求められる積算賃料は同じとなることに留意しなければならない。」が、2006年版に追加された2行である。

 この2行は、借地権付建物価格を基礎価格にした場合、その賃料は自用の建物及びその敷地価格を基礎価格にした賃料と「同じになる」と明示した。

 借地権付建物価格を基礎価格にして求められた賃料も積算賃料である。自用の建物及びその敷地価格を基礎価格にして求められた賃料も積算賃料である。

 2つの積算賃料は「同じとなる」ということは、自用の建物及びその敷地価格を基礎価格にした賃料を求めないと同じとなる事は分からない。

 借地権付建物価格を基礎価格にした場合は、自用の建物及びその敷地価格を基礎価格にした賃料を求め、同じ賃料である事を証明しないと、借地権付建物価格を基礎価格にした場合の賃料は適正であることが証明されない。

 自用の建物及びその敷地価格を基礎価格にした賃料を求めていない借地権付建物価格を基礎価格にした賃料は、適正であるという信頼性を欠くということになる。

 積算賃料を求めるのに、同じごとくの計算を不動産鑑定士は、2度も行うであろうか。まず行わない。

 積算賃料として、信用性を欠くと判断される借地権付建物価格を基礎価格にした賃料のみで積算賃料とする不動産鑑定士は無くなることになろう。

 つまり、借地権付建物基礎価格論は、理論論争で敗北したと云うことになる。

 借地権付建物の賃料の基礎価格は、自用の建物及びその敷地の価格を基礎価格にして積算賃料を求め、新規賃貸事例に拠る賃貸事例比較法の比準賃料とで新規賃料を決定するのである。

 2015年版以降最新の2022年版までは同じである。

 実務修習テキストの借地権付建物の賃料の基礎価格についての記載は、自用の建物及びその敷地価格であると明示するのみで良く、言い訳めいた長い文章は必要無く削除する方が良い。

 初めて不動産鑑定士になって鑑定評価をする若い不動産鑑定士を惑わすだけである。

4.補足

 旧日本不動産鑑定協会(現日本不動産鑑定士協会連合会)の実務補習テキスト(現在は実務修習テキスト)の借地権付建物価格を賃料の基礎価格とする求め方が違っていると正面から間違いを指摘し、自用の建物及びその敷地の価格が基礎価格であるとおおぴらに見直しを要求したのは、自分で云うのもおこがましいが、私くらいでは無かろうかと思っている。

 そのことを示しているのが、鑑定コラム133)「借地貸ビルと所有地貸ビルで賃料に差があるのか」(2003年11月28日記事アップ)である。

 私のホームページを訪れ、古い番号にある鑑定コラム133)を読む人は殆どいないであろうから、補足として、その記事を以下に転載する。

*****

133)借地貸ビルと所有地貸ビルで賃料に差があるのか

 最近、目を白黒させるどころか、頭をかかえてしまう不動産鑑定書に出くわした。

 借地上に建つ貸ビルの賃料が、所有地上に建つ貸ビルの賃料より安いという賃料鑑定書にお目にかかった。

 裁判所の鑑定人不動産鑑定士による鑑定書である。
 裁判所が鑑定人として選定し、鑑定依頼した鑑定人の書いた不動産鑑定書は、裁判官が判決文を書くときの第一級の証拠資料になる性格のものである。

 その裁判所選任の鑑定人不動産鑑定士は、借地権付貸ビルであるといって、賃料の基礎価格を、更地価格に借地権価格割合80%を乗じた借地権価格とし、建物は積算価格を基礎として、積算賃料を求めて、それが正常賃料であると評価する。

 この他に鑑定人は比準賃料を求めていたが、その求め方は、周辺貸ビルの賃料の支払賃料に、敷金運用益、礼金償却益を加えたものを実質賃料として、比準賃料を求めている。

 共益費が抜けている。共益費は実質賃料を構成する重要な構成要因である。その共益費を無視しては、本来実質賃料とはいえないが、にもかかわらずその様な賃料を実質賃料としている。

 共益費は支払賃料の15%程度の金額水準にあることから、これが抜けていることは、鑑定人が実質賃料と称する賃料は15%安の賃料となる。これより比較した比準賃料は15%安と求められることになる。

 加えて、選択した賃料事例は、所有地ビルの賃貸事例である。
 対象地ビルは借地上のビルであるといって、借地権価格を基礎価格にして求めるのが正しいと主張しておきながら、賃貸事例比較法では所有地ビルの賃貸事例を使用している。
 論理の破綻をきたしている。

 裁判所の鑑定人の本件の正常賃料の求め方は、根本的に間違っている。
 借地権上の貸ビルであっても、基礎価格は所有権土地上の貸ビルとして求めるのが正しい求め方である。
 地代は必要諸経費で計上される。固定資産税より当然高いが、それは借地権付貸ビルの宿命である。修繕費が余分にかかる貸ビルと同じように考えればよい。

 私は、本件鑑定人の求め方では、極論すれば賃料は15%程度安く求められてしまい、「適正な賃料ではない」と、誤りを指摘した。

 すると、「鑑定人の求め方が正しい求め方である」と、別の不動産鑑定士が鑑定人の考え方を弁護する書面が提出されてきた。

 「田原不動産鑑定士の考え方こそ間違っている」といって、不動産鑑定士補が、不動産鑑定士3次試験の受験資格を得るために受ける鑑定評価実務講習に使用されているテキストの継続賃料の求め方の中のページを引用して証拠提出してきた。

 不動産鑑定士補の実務講習テキストには、信じがたいことであるが、借地上の貸ビルの賃料を求める場合、借地権を基礎価格にして求めると書いてあった。

 これには私は驚いてしまった。

 誰がテキストを書いたのか、誰が実務講習の講師になって継続賃料の講義を行っているのかしらないが、頭の柔らかい、若い不動産鑑定士補に、こんな間違ったことを教えてもらっては困る。
 社団法人日本不動産鑑定協会の研修担当部は、賃料の求め方を本当に知っているのかと疑いたくなる。

 「基礎価格」とはどういうものか、はっきりとわかっているのかといいたい。
 賃料評価に何故「基礎価格」という概念があるのか。
 価格評価にはその様な概念はない。賃料評価にのみ、それがある。それは何故か。

 裁判所へ、社団法人日本不動産鑑定協会の3次試験の実務講習の正式なテキストに載っているとして、証拠提出されては、賃料の求め方など全くといっていい程知らない裁判官は、専門家が云うのであれば、その求め方が正しい求め方と認識し、それに従って求められた賃料が適正であると判断して、判決文を書いてしまう。誤った判決を行ってしまう。

 個人の単なる意見として主張するのであれば、それは違うよと忠告程度で終えるが、社団法人日本不動産鑑定協会の考えが正しく、田原などの考えなど間違っていると云わんばかりに、公開の法廷に鑑定協会の間違っている考え方が、あたかも正しいと言うごとく証拠資料として出されて来るとなれば、それは看過する事は出来ない。

 それは専門家の判断に頼っている裁判官に、誤った情報を与え、誤った判決を行う可能性が大であり、その結果は社会に対する影響が甚だ大きいからである。

 たとえ社団法人日本不動産鑑定協会の3次試験実務研修テキストに記載されていても、それは間違いであると、猛反撃せざるを得ない。

 借地上の貸ビルの賃料は、所有地上の貸ビルの賃料よりも安いと主張する不動産鑑定士に対して、借地上の貸ビルと所有地上の貸ビルの賃料に差があって、仲介、募集されているのか。あるいは契約されているビル賃料があるのか証拠としてそれらを提出せよと反論の書面を、代理人弁護士を通じて裁判所に提出した。

 私の依頼者は、貸ビル業を専門とする不動産業者であったが、その代表者も、鑑定人不動産鑑定士及びそれに同調する不動産鑑定士に対して、カンカンになって怒ってしまった。鑑定協会はそんなことを未来の不動産鑑定士に教えているのと笑われてしまった。

 代表者は長く、貸ビルを持ち、自らもビル貸室の仲介も行っているが、借地の上の貸ビルと所有地上の貸ビルの賃料と違った例など見たことも聞いたことも無いという。

 私だって無いと云ったが、不動産鑑定士は一体、不動産の実際を知っているのかと不動産鑑定士に対して激しい不信感を持ってしまった。

 借地上の貸ビルの賃料が、所有地上の貸ビルの賃料より安ければ、それは顧客募集において強い武器になるハズであるから、募集賃料のチラシには必ず「借地の上のビルですから20%賃料は安いです」という類の言葉が載るハズである。その様なチラシなど見たこともない。

 私は反論書の中で、「社団法人東京ビルヂング協会に問い合わせて、そのビル協会から借地上の貸ビルの賃料は所有地上の貸ビル賃料より安いのがビル賃料として一般的であるという正式な書面を作ってもらって裁判所に提出せよ」と、相手方にぶっつけた。

 借地上の貸ビルの賃料と、所有地上の貸ビルの賃料の間には差などない。

 社団法人日本不動産鑑定協会も、3次試験の実務講習の継続賃料のテキストに、実務を全く知らない人が書いた人と思われるような間違った求め方など書いて指導しないでいただきたい。早急に、その部分は削除して欲しい。
 同じ鑑定協会の不動産鑑定士として情けなくなる。


(2003年12月1日追記)

 本メルマガについて、社団法人日本不動産鑑定協会の横須賀博会長が、国土交通省から委託を受けて鑑定協会の行っている3次試験実務研修の使用テキストについて、早速調査され、回答をいただきました。

 私の指摘の事実を認められ、「(2003年)12月2日から始まる第39回の実務補習の講義の際には、この分について注意するように指示したことを報告する」という報告を頂きました。

 賃料の評価について造詣の深い横須賀会長ならではの手際よい処置に感謝します。

(http://www.tahara-kantei.com/column/column133.html)
 

******


 2003年12月1日の私宛の故横須賀博日本不動産鑑定協会会長のメールは下記のものであった。

 私信であるが、鑑定協会会長としての職務についての功績の一つの証しであり、オーブンにしても故人の名誉を傷付けるものでは無いと思い公開する。

 2003年12月1日 18:13
  差出人 横須賀 博
  件名 Re: 実務テキストの件
  宛先 tahara

 何時もありがとうございます。
 第37回実務補習に関する講義教本(4)は2年前のものですか、
 今年の第39回の教本と同じ内容で先生の主張の通りでした。
 そこで明日から始まる第39回の実務補習の講義の際にはこの分について注意するよう指示したことをご報告致します。
 相変わらぬ研鑽に頭がさがります。
                           横須賀  博

以 上


  鑑定コラム2428)
「お願い! 1999(平成11)年〜2005(平成17)年の実務補習(修習)テキストをお持ちの方へ」


  鑑定コラム2438) 「借地権付建物賃料基礎価格についての2022年実務修習テキストの記述」



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