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ニッパチの売上高減という格言がある。
その格言は、2月と8月は売上高が減少すると云われるもので、主に飲食店、衣料業界で云われている格言である。
何故2月、8月は売上高が減少するかは、多くの人々が原因を挙げている。
12月、正月はボーナスがでて、新しい衣服を買い、忘年会、新年会があり、そこでお金を使って、その反動で2月は節約に回る。加えて寒く外出を控える。
7月は夏のボーナスでお金が回るが、8月はお盆もあり、飲食を自粛する。暑くて食欲も落ち、そして衣料を新しく買う気が起こらなくなり、外出も少なくなる等の要因が挙げられている。
8月のビジネスホテル料金の統計分析を終えて、4都市のビジネスホテルの料金状況を見ると、下記である。
宿泊費 前月比 料金DI値
東京 7,894円 ▲12% ▲61
名古屋 6,836円 ▲2% ▲17
京都 6,730円 ▲21% ▲89
大阪 6,745円 ▲18% ▲76
前月比に対して宿泊料金が大きく下がっているのは、京都である。以下、大阪、東京、名古屋と続く。4都市全て料金が7月から下がっている。
料金を下げたホテルの多い順は、DI値がそれを反映しており、料金を下げた順と全く同じである。
最も多いのは、京都のDI値▲89である。最も少ないのは名古屋の▲17である。
名古屋のビジネスホテル料金及びDI値の下落が少ないのは、工業都市の要因が影響しているのでは無かろうか。
料金を下げることは、利用者が少なく、少しでも利用者を増やして収入を得ようとする行為である。
その行為は、売上高が減少することを意味している。8月は売上高が減少すると云うことを数値で示している。
このことから、ニッパチの売上高減の格言は、ビジネスホテル業界にも当てはまると云うことが分かった。
一方、ニッパチの売上高減の格言が当てはまると云えることは、業界がその格言の云える状態にあるということにもなる。
新型コロナウイルス感染拡大の年の2020年、2021年は、その様な格言が云える状況では無かった。
2022年にその格言が当てはまると云うことは、ビジネスホテル業界は、新型コロナウイルス感染の影響をほぼ克服したか、或いはしつつある状態になっているという証拠とも云える。
そう考えると、逆に喜ばしいことと云えよう。
2020年2月からほぼ2年半、毎月ビジネスホテルの料金を調べて、その結果を鑑定コラムに記して来たが、同じ作業を続けて来たことによって、ビジネスホテルにもニッパチの売上高減の格言が当てはまるということが分かり、その証明を具体的データですることが出来た。
再び、日本に新しいウイルス感染が上陸し、拡大した場合、ビジネスホテルの料金はどの様に変化するかの予測分析の参考資料になるであろう。
ホテルの料金・売上高を知って何になるのかと思われる人がいるかもしれないが、ホテルの価格は年間の売上高で決まると云うことを知れば、料金を知ることの必要性が分かろう。
ホテルを、土地価格+建物価格=ホテル価格 の算式の価格で購入する業界人は居ない。
鑑定コラム2444) 「ニッパチのジンクス 2022年8月の東京ビジネスホテル料金」
鑑定コラム2449) 「ニッパチの影響の少ない名古屋のビジネスホテル料金 2022年8月」
鑑定コラム2448) 「ニッパチの8月 京都ビジネスホテル料金 DI値▲89 2022年8月」
鑑定コラム2446) 「アパホテル大阪梅田料金 前月比▲40%ダウン 2022年8月」
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