「平成14年以降のマンション利回りは発行していないのですか。」
「新しいのはいつ頃出来るのですか。」
メールや電話での、東京マンション利回りについての書籍の発行についての催促・問い合わせが時々あった。
その度に返答に窮し、「そのうち・・・・」と云いながら、報告書の作成を引き延ばしてきていた。
「平成14年東京マンション利回り(平成15年版)」を発行してから、そろそろ2年になろうとしている。
当初は毎年発行するつもりであった。
鑑定の仕事が忙しいこともあったが、東京マンション利回り一覧表を作成するための多大な時間と労力と知恵とデータ費用等を考え、それに対する収入を考えると、作成する意欲がなくなってくるのである。
不動産鑑定評価の質の向上、マンション利回りという社会が必要としている情報提供することによって、不動産鑑定士として社会的貢献をするのだという生き甲斐を見つけること以外、作成の意欲が湧かないのである。そこまでの高潔な社会的貢献を、一不動産鑑定士に過ぎない私に人々は求めているのであろうか。
とはいえ、不動産鑑定は、金儲けを目的とする職業ではない。
一人でも或いは数人でも、東京マンション利回りの書籍の発行を待ち望んでいる人がいることを知れば、その人達の為に、銭・金の勘定抜きで発行を続けようと思い至った。これが一人の不動産鑑定士としての一つの社会的責務ではないかと自問自答し。
もう一つの発行続行決意を後押ししたのは、噂で国税局が「東京マンション利回り」を購入したということを耳にしたことである。
国税局が購入したか否かの真偽は分からない。ただそうした噂が私の耳に入ったのである。
国税局が、何故私の作った「東京マンション利回り」に興味を持ったのであろうか。
真偽はともかく、噂でも国税局が購入したと云うことは、「東京マンション利回り」に価値を認めたということであろうと、勝手に自己解釈し、存在価値を認めてくれたのであるならば、ならば作成しょうという気になったのである。
2005年の暮れの忙しい時に、事務所の掃除、整理もせずに、東京マンション利回り一覧表の作成に没頭した。
「平成16年東京マンション利回り(平成17年版)」は出来上がった。
平成16年1月〜12月の1年間の、都内の賃貸マンションの賃貸事例11,300件余のデータによるマンション利回りの分析である。その一部分を下記に転記する。
利回りは、経費込みのグロスの利回りである。
同利回りの報告書籍は、CD化して一般に発売される予定であり、不動産鑑定士市場賃料研究会に購入申し込みされたい。
(電話 03-3341-6573 都市開発研究所内 担当 新井)