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2591) ウクライナのゼレンスキー大統領が広島にやって来た 2023年5月20日

 2023年5月20日午後3時半、ウクライナのゼレンスキー大統領が、広島空港に到着したフランス機のタラップを降りて、日本の土を踏んだ。

 タラップ下で迎えている木原誠二首相補佐官と最初に力強く握手した。

 ウクライナは、ロシアに侵略されて、現在戦争中の最中である。その様な状況のある中で、ゼレンスキー大統領は、よくぞ無事に日本の広島に来てくれた。

 広島では、現在「G7 2023広島サミット」が開かれている。主要7ヶ国の首脳が経済問題、ウクライナ問題について討議している。ウクライナ問題に付いては21日午前中に話しあうスケジュールとなっている。

 その討議に、オンライン参加で無く、顔を合わせて話し会いたいとゼレンスキー大統領は要望し、フランス機で広島に来たのである。

 G7には、招待国として、インド、ブラジル、オーストラリア等の8ヶ国の首脳が集まっている。それ等首脳と会うことが出来、ウクライナへの協力・支援をお願いするには、格好の場所・機会でもある。

 G7の首脳達及び招待国の首脳達は、ゼレンスキー大統領を暖かく迎えた。

 アメリカは、G7及びNATO加盟国の国々が持っている、アメリカ製の戦闘機F16をウクライナに譲渡する許可を出した。G7加盟の国々、NATO加盟の国々が、ウクライナ軍人にF16戦闘機の操縦を教え訓練することを許した。
 
 ロシアへの経済封鎖に反対し、経済封鎖を行っていないインドのモディ首相は、ウクライナとロシアの現在の戦争は、人道上の問題があり無視することは出来無いと云い、インドは出来る限りのことをする、戦争が終わることに協力すると、ゼレンスキー大統領との会議で約束した。

 広島で開かれたG7の首脳達は、会議初日に、広島の原爆資料館を訪れてくれた。訪れることについては、日本政府・外務省の粘り強い交渉があったと聞く。

 当初は、原爆資料館を訪れることにアメリカ、イギリス、フランスは難色を示していた。

 しかし、ロシアが、ウクライナ侵略・侵攻が長引くに伴い、核使用をちらつかせ、脅しにする軍事姿勢を示しだしたことから、アメリカ、イギリス、フランスは、日本政府・外務省の粘り強い交渉の説得を受け入れ、原爆資料館を訪れることに同意してくれた。

 ゼレンスキー大統領は、G7の会議終了後、原爆慰霊碑に献花したのち、原爆資料館を訪れた。

 資料館を見学したのち、国際会議場でスピーチを行った。そのスピーチする姿をテレビ実況で私は観た。

 ゼレンスキー大統領のスピーチは、「私は、戦争によって歴史の石に影を残すのみになってしまったかもしれない国からここに参りました。」の言葉で始まった。

 「戦争によって歴史の石に影を残すのみになってしまった」の意味は、資料館に展示されている石階段に座っていた人が、原爆によって一瞬にして溶かされ無くなり、座っていた人の場所のみ黒く残り、それ以外は白くなっている「人影の石」のことを指す。

 私も、校生の時に、資料館でこの現物の石段を見て、ショツクを受けたことを思いだす。強烈な印象を脳裏に焼き付けられた。

 大統領は、「私は、世界に戦争はあるべきではないと思っております。」と語りだし、現在のウクライナの姿を、原爆資料館にある原爆投下後の焼け野原になっている広島市街の写真を見て、「ロシアの爆弾や砲撃によって焼き尽くされ廃虚となった私たちの街は、私がいまここで見てきたばかりのものと似ています。」と述べる。

 広島の現在の復興の姿を見て、「広島は今、復興を遂げています。私たちはがれきと化してしまったすべての街、ロシアの攻撃による被害を受けていない家が1軒もなくなってしまったすべての村が復興を遂げることを夢みています。」と母国の復興の夢を語る。

 ロシアとの戦争について、「ウクライナは「平和のフォーミュラ(公式)」を提案しました。公正で現実的なものです。

 その最初の項目は、“放射線と核の安全”です。ロシアは、放射線と核による世界への脅迫をやめ、現在占拠している原子力発電所をウクライナとIAEA=国際原子力機関の完全な管理下に戻さねばなりません。」と述べる。

 ロシアが世界の最後の侵略者にしなければならないとして、「私たちが団結し、ロシアを最後の侵略者にしなければなりません。」と断言し、スピーチを続ける。

 「私たちは異なる文化をもち、異なる信念をもち、国旗も違います。しかし、自分たちのため、子どもや孫たちのために、安全を望むのはみな同じです。

 戦争がひとたび起これば、私たちの命はひとしく灰と化してしまいます。

 戦争が石に影を残すのは歴史の中だけになるように、それが博物館でしか見られないようにするために、世界中のすべての人ができる限りのことをしなければなりません。

 世界中のすべての人々が、他国を尊重しなければなりません。

 世界中のすべての人々が、国境を認めなければなりません。

 世界中のすべての人々が、正義を守らなければなりません。

 世界中のすべての人々が、生命を大切にしなければなりません。」と語る。

 そして最後に「日本のみなさま、岸田総理大臣、包括的な支援に感謝申し上げます。戦争の犠牲となったすべての人を追悼いたします。

 平和が訪れますように。ウクライナに栄光あれ。」と言葉してスピーチを終えた。

 ゼレンスキー大統領は、21日の深夜広島空港から、フランス機で日本を離れた。

 2023年5月19日〜21日に開かれた「G7・広島2023サミット」出席国と首脳は下記の通りである。

                
 (G7首脳)
            日本       岸田文雄首相
            フランス     エマニュエル・マクロン大統領
             アメリカ          ジョー・バイデン大統領
             カナダ      ジォスティン・トルドー首相
             ドイツ      オラフ・ショルツ首相
             イタリア     ジョルジャ・メローニ首相(女性)
             イギリス     リシ・スナク首相
       EU               シャルル・ミシェル大統領
             Eu                ウルズラ・デァライエ委員長(女性)

 (招待国)        オーストラリア  アンソニー・アルバニージ首相 プラジル     ルーシ・ダシルバ大統領 コモロ      アザリ・アスマン大統領 クック諸島    マーク・ブラウン首相 インド      ナレンドラ・モディ首相 インドネシア   ジョコ・ウィドド大統領 韓国       ユン・ソンニョル大統領 ベトナム     ファム・ミン・チン首相
(特別参加国) ウクライナ    ボロディミル・ゼレンスキー大統領

 ゼレンスキー大統領の広島平和公園・国際会議場でのスピーチの全文は、NHKの下記のアドレスで読めます。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/detail/2023/05/22/31753.html

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