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2631) 新橋・虎ノ門の賃貸事務所ビルの必要諸経費率は、賃料収入の27%程度

 新橋・虎ノ門地区の駅周辺にある商業地賃貸事務所ビルの必要諸経費率はどれ程か調べてみた。

 貸事務所ビルの損益計算書が手に入るものでない事から、地価公示価格の公開鑑定書の収益還元法のデータ数値より求めた。

 新橋・虎ノ門駅周辺にある商業地の土地価格u当り700万円以上の地価公示価格の公開鑑定書を選んだ。A鑑定のみのデータとする。

 その公開鑑定書の収益還元法で求められている賃料総収入と必要諸経費の金額より求める。

 求める算式は、

              必要諸経費額÷賃料総収入=必要諸経費率
である。

 地価公示価格の収益還元法は、必要諸経費に減価償却費を入れていないことから、求められる必要諸経費率は、償却前必要諸経費率である。

 同一地価公示地の過去3年間を調べた。

 新橋・虎ノ門駅周辺賃貸事務所ビルの必要諸経費率一覧は下記である。


公示番号 所在 令和3年経費率 % 令和4年経費率 % 令和5年経費率 %
港5-1 新橋1-18-15 27.4 29.7 28.4
港5-16 虎ノ門5-12-11 27.2 28 28.4
港5-21 虎ノ門4-1-17 22.6 23 23
港5-33 新橋2-19-3 26.1 28.5 29.2
港5-35 赤坂2-2-17 27 27.6 29.1
港5-36 西新橋1-16-5 26.6 26.8 27.7
港5-39 虎ノ門1-15-16 26.1 25.7 25.7
平均   26.1 27 27.4


 新橋・虎ノ門駅周辺賃貸事務所ビルの償却前必要諸経費率は、令和3年〜令和5年の3年間の数値は26.1%〜27.4%であり、27%前後である。

 私が、日本最高の立地にある賃貸事務所ビルの還元利回りはいかほどかを知るために、毎年分析して発表している東京駅前にある三菱地所の丸ビルの必要諸経費率は、27.5%である。

 上記地価公示価格の公開鑑定書の収益還元法の必要諸経費率から、丸ビルの必要諸経費率の妥当性は立証され、一方地価公示価格の新橋・虎ノ門駅周辺の収益還元法の必要諸経費は妥当な数値ということになる。

 なお、賃貸事務所ビル賃料の必要諸経費には、土地公租公課は、経費構成要素の一つとして含まれる。

 地価公示価格のA鑑定、B鑑定の土地の公租公課は同額にせょと私は鑑定コラムに記したが、東京の地価公示価格の収益還元法の土地公租公課は、A鑑定、B鑑定は同額である。

 A鑑定、B鑑定の土地の公租公課が異なっていたら、データ採用は出来ないことになる。

 私が「地価公示価格のA鑑定、B鑑定の土地の公租公課は同額にせょ」と云っているのは、異なっていては、一つの例であるが上記のごとくの分析に使えず、地域の妥当・適正な必要諸経費率を知ることが出来ない。使え無い地価公示価格では信頼性が無いと云うことになるためである。


  鑑定コラム2601)
「2023年3月 丸ビルの償却前還元利回りは2.41%」

  鑑定コラム2627)「地価公示価格A鑑定、B鑑定の土地公租公課の金額は同一にせょ」


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