1.はじめに
宅地間口が平坦道路に面する土地価格と宅地間口が傾斜する道路(坂道)に面する場合では、坂道に面する宅地の価格単価は、平坦道路に接面する宅地の価格単価よりも安くなるのではなかろうか。
事実、坂道に面する宅地単価が安い事例に遭遇する場合がある。
では、どれ程安くなるであろうか。
道路傾斜度と土地(宅地)価格修正率の関係について、分析する。
2.国税庁の「傾斜地の宅地造成費」
@ 東京都・神奈川県・千葉県・山梨県の傾斜地の宅地造成費
国税庁が、相続税評価のために「傾斜地の宅地造成費」を発表している。
令和5年度の東京都・神奈川県・千葉県・山梨県の傾斜地の宅地造成費は下記である。
傾斜度 宅地造成費 3度超 5度以下 20,300円/u 5度超 10度以下 24,700円/u 10度超 15度以下 37,600円/u 15度超 20度以下 52,700円/u 20度超 25度以下 58,400円/u 25度超 30度以下 64,300円/u
24,700円−20,300円=4,400円 4,400円÷7度=628円≒630円/uである。
(2度超 3度以下) 20,300円−630円=19,670円/u
(1度超 2度以下) 19,670円−630円=19,040円/u
(0度超 1度以下) 19,040円−630円=18,410円/u
傾斜度 宅地造成費 0度超 1度以下 18,410円/u 1度超 2度以下 19,040円/u 2度超 3度以下 19,670円/u 3度超 5度以下 20,300円/u 5度超 10度以下 24,700円/u 10度超 15度以下 37,600円/u 15度超 20度以下 52,700円/u 20度超 25度以下 58,400円/u 25度超 30度以下 64,300円/u
19,040円 ───── = 1.034 18,410円1.034である。
1 ─── = 0.967 ≒ 0.97 1.034ということになる。
傾斜度 | 宅造費金額 円/u | 金額倍率 | 地価割合 |
0度超 1度以下 | 18410 | 1.000 | 1.00 |
1度超 2度以下 | 19040 | 1.034 | 0.97 |
2度超 3度以下 | 19670 | 1.068 | 0.94 |
3度超 5度以下 | 20300 | 1.103 | 0.91 |
5度超 10度以下 | 24700 | 1.342 | 0.75 |
10度超 15度以下 | 37600 | 2.042 | 0.49 |
15度超 20度以下 | 52700 | 2.863 | 0.35 |
20度超 25度以下 | 58400 | 3.172 | 0.32 |
25度超 30度以下 | 64300 | 3.493 | 0.29 |
道路傾斜度 土地価格修正率 0度超 1度以下 1.0 1度超 2度以下 0.97 2度超 3度以下 0.94 3度超 5度以下 0.91 5度超 10度以下 0.75 10度超 15度以下 0.49 15度超 20度以下 0.35 20度超 25度以下 0.32 25度超 30度以下 0.29
(1−0.75)× 0.8=0.2−0.2の修正を妥当とする。
1−0.2=0.8傾斜度約10度の坂道に接面する土地価格修正率は、0.8となる。