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2698) 日本GDP第4位に後退 ドイツに抜かれる

 前の鑑定コラム2697)「日経平均株価過去最高値に迫る 2024年2月16日」で、「国内総生産は、ドイツに抜かれて第4位になってしまった。
 その様な日本の株価が、バブル経済時につけた過去最高株価に迫り追い抜こうとしている状況は、おかしいと思うべきであろう。」と記した。

 国内総生産がドイツに抜かれ、世界ランクで4位になったという結果だけ記して、内容についての記述は省いていた。

 鑑定コラムを読む人にとって、分かり難い記述であったと思われることから、それについて少し詳しく記述する。

 2024年2月15日に内閣府は、2023年10〜12月期の四半期別GDP速報を発表した。

 その発表は、種々のデータの四半期の値を示して、「2023暦年の実質GDP成長率は1.9%、名目GDP成長率は5.7%となった。」という結論であった。
(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)

 内閣府発表の2022年の日本の名目国内総生産は、支出側で、559,710.1(10億円)、559兆7101億円であった。

 2023年暦年の日本の名目国内総生産は

   559,710.1×1.057=591,613.5(10億円)
となる。591.6兆円である。

 報道発表、内閣府の発表は、591.5兆円である。1千億円の差は、成長率5.7%の端数処理が原因していることと思われる。

 内閣府は591.5兆円と発表していることから、その金額が2023年暦年の日本の国内総生産である。但し、速報値である。

 政府発表の速報値は、後日変更されるのが常であり、上記数値も変更されると思っていて良い。

 2024年2月15日 10:43の日本経済新聞ウエプは、「内閣府が23年のGDP速報値をドル換算したところ、日本は4兆2106億ドルで、ドイツは4兆4561億ドルだった。」と記し、日本はドイツに抜かれ4位になったと報じる。

 2024年2月15日 22:00の読売新聞ウエブは、ドル換算して、世界の2023年の上位5ヶ国のGDP を次のごとく伝える。
    1位 アメリカ   27.4兆ドル 
        2位 中国     17.7兆ドル
    3位 ドイツ     4.5兆ドル
    4位 日本      4.2兆ドル
    5位 インド       3.7兆ドル

 日本円で591.5兆円が、ドル換算すると、4兆2106億ドルになるということは、為替換算レートは、
             591.5÷4.2106=140.47ドル/円
1ドル=140.47円ということである。

 かっての昔、ソニーの盛田会長が、企業が汗水たらして頑張って稼いでも、為替レートで5円、10円と日本円が米ドルよりも安くなると、企業利益が吹っ飛んでしまうから、政府・日銀はしっかりと為替管理をしてくれと言っていた事が想い出される。


  鑑定コラム2697)
「日経平均株価過去最高値に迫る 2024年2月16日」
 

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